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目次
現在は、世界的に鋼材価格が高騰している状況です。なぜ鋼材価格が上がっているのでしょうか。本記事では鋼材価格が高騰する背景や価格の推移、今後の動向を解説します。ぜひ参考にしてください。
鋼材価格は2020年後半から急激に高騰しており、建設業界に大きな影響を与えています。
鋼材価格は2008年に急激に上昇し、2009年から2010年にかけて下落しました。以降は2020年まで一定の範囲で安定して推移していました。
しかし2020年以降からは、価格が再上昇しています。具体的には、鉄筋価格は2020年6月の66,000円/tから2022年4月~8月の124,000円/tまで、鉄骨価格は2020年8月の75,000円/tから2022年7月~9月の126,000円/tまで、それぞれ急上昇しています。
2022年には鉄筋価格が2008年のピークを上回り、過去最高の水準に達しました。それ以降も高い水準を維持している状況にあります。
鋼材価格が高騰する理由は以下の通りです。
それぞれ詳しく解説します。
新型コロナウイルスの感染拡大は、鋼材価格高騰の重要な要因の一つです。
2020年初頭のパンデミック発生直後、世界経済は急激に停滞し、鋼材の需要も一時的に低下しました。多くの国で経済活動が停止したことで、銅鉱山の供給が滞り、銅価格が急上昇したのです。
しかし各国の経済対策や感染状況の改善に伴い、2020年後半から急速な需要回復が始まり、特に中国で建設需要が急増したことで鋼材需要が大幅に拡大しました。
この急激な需要回復により、鉄鉱石や原料炭、鉄スクラップなどの原料価格が上昇しました。これらの原料高は、鋼材メーカーの生産コストを押し上げ、製品価格の値上げにつながります。
さらにパンデミックによるサプライチェーンの混乱や物流の停滞も、鋼材の供給不足による価格上昇に拍車を掛けたといえるでしょう。
海外情勢の変化も、鋼材価格高騰に大きな影響を与えています。
特にロシアによるウクライナ侵攻は、主な要因の一つといえるでしょう。
ロシアは主要な金属生産国であり、西側諸国による経済制裁の結果、銅やニッケルなどの金属価格が高騰しました。
加えて、前述した中国による建築ニーズの増加や国際的な物流も、価格上昇に影響しています。
鋼材価格高騰の重要な要因となったのが、円安の進行です。
円安の進行により、以下の状況が引き起こされました。
日本は鉄鉱石や原料炭などの鋼材生産に必要な原材料の多くを輸入に頼っているのが現状です。円安の進行により、これらの輸入原材料の調達コストが上昇し、結果として鋼材メーカーの生産コストが増加し、製品価格に反映されています。
また円安は輸入されるエネルギー価格も押し上げました。鋼材の製造過程では大量のエネルギーを消費するため、エネルギーコストの上昇は直接的に生産コストを招く結果となっています。
円安は日本製品の国際競争力を高める一方で、高品質な日本の金属合金の海外ニーズを増加させるため、国内での鋼材供給が逼迫して価格上昇につながった他、円安による国際物流コストの上昇によって輸入鋼材や原材料の輸送費用が増加。最終的に鋼材価格に反映されたのです。
資源の原料不足も、鋼材価格高騰の重要な要因の一つです。
新型コロナウイルスからの経済回復による需要の急増は、供給が追い付かない状況を発生させました。世界の生産国で生産を制約される状態が続いていたため、ニーズの増加にすぐに対応できなかったとも考えられます。
また原材料価格の上昇を見込んだ投機的な買い付けに加えて、物流の混乱による影響で原料不足に陥り、鋼材価格が急騰したのです。
なお金属資源の相場上昇と物不足は、世界中で問題となっています。海外での取引価格が上昇すると、高値で売れる海外輸出が選択されるため、国内での価格も上昇します。
日本は、鉄鋼の製造に必要な鉄鉱石やエネルギー資源などの多くを輸入に依存しているのが実情です。
鉄鋼製造に必要な主要原料である鉄鉱石と石炭、原油のほぼ90%が輸入によって調達されています。そのため、国際市場での鉄鋼の価格変動に影響を受けやすいといえます。原料やエネルギーの価格上昇によって、鉄鋼製品の製造コストにダイレクトに影響するため、鋼材価格の上昇につながるのです。
世界的に知名度の高い鋼材販売の大手企業には、以下のようなものがあります。
これらの企業は、自国市場だけでなく、グローバル市場でも大きなシェアを持っているのが特徴です。
日本国内では、日本製鉄株式会社(旧新日鉄住金)が大手企業の一つであり、JFEスチール、神戸製鋼所と合わせて高炉三社と呼ばれる主要な鉄鋼メーカーです。
これらの企業は、鉄鉱石から鋼材を一貫生産する能力を持ち、国内外で幅広い鋼材製品を販売しています。
日本の鉄鋼メーカーの技術力は世界的に見ても高く、評価されています。ただし鉄鉱石や石炭を産出する資源国の鉄鋼メーカーの技術力が急速に向上しており、生産能力を拡大しているのが実情です。
このため、高品質な製品の算出や環境負荷の低減に力を入れるなどして競争が発生し、世界的な過剰生産に陥ってしまった結果、価格競争が激化することになりました。最終的には、大手の日本製鉄が製品価格の値上げを実施し、他の企業も追随することになります。
鋼材価格が高騰することで発生する影響は以下の通りです。
鋼材価格の高騰は、建築物や土木工事の建設コストに直接的な影響を与えます。
主な影響は以下の通りです。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築物において、鋼材は主要な構造材料の一つです。鋼材価格の上昇は、建物の骨組みや補強材のコストを直接的に押し上げます。
またクレーンやブルドーザーなどの建設機械も鋼材を多く使用しており、機械の調達や維持管理コストも上昇するため、工事費コストが上昇します。
鋼材の供給不足や価格変動により材料の調達に時間がかかる場合は、工期の延長により人件費や仮設費などの間接費が増加したり、鋼材価格の高騰により当初の設計案が予算を超えて、設計変更や代替材料の検討によって追加の設計費用が発生したりするケースもあるでしょう。
鋼材価格の高騰は、自動車や家電、家具などの製造業に大きな影響を与えます。
その理由は以下の通りです。
自動車のボディや家電製品の筐体、家具のフレームなど、これらの製品には多くの鋼材が使用されているため、鋼材価格の上昇は製品の原材料コストを押し上げます。
また製造業で使用される機械や設備も鋼材を使用しており、設備の調達や維持管理コストも上昇するため、間接的な製品コストに反映されます。
部品サプライヤーも鋼材価格の上昇の影響を受け、部品供給価格も上昇するため、製品全体のコストも増加するでしょう。
さらにコスト上昇を抑えるための製品設計の見直しや、代替材料の検討にコストがかかる場合もあります。
日本国内の一部の企業では、生産コストの上昇による利益の減少や価格の引き上げを余儀なくされているのが現状です。
鋼材のニーズや価格は今後どうなるのでしょうか。ここでは、鋼材の今後の動向について解説します。
経済産業省が発表した「2024年4-6月期の鉄鋼需要見通し」では、鋼材需要量が1,895万トンになる見通しで、前年同期比で5.4%の減少、前期実績見込比で0.8%の減少と横ばいになる見通しです。
国内需要に関しては、建設分野における大型物件の需要は底堅いものの、住宅ニーズは建設コストの上昇により弱く、土木分野でも人手不足・建築コスト上昇により需要が弱くなると見られています。
全体としては、前年同期比で横ばいでの推移となる見通しです。
製造業部門では、産業機械分野では外需が全般的に低調である他、自動車分野では半導体部材などの供給難が解消されたことでニーズの回復が期待されましたが、実際には前年同期と横ばいの見通しとなっています。
輸出においては、北米を除いて全般的に需要環境が低調であり、前年同期比で減少する見込みである他、粗鋼需要量は、2,172万トンで前年同期比2.2%減、前期比では+0.1%でほぼ横ばいとなる見通しです。
全体的に停滞気味であることに加え、鋼材需要が下振れする可能性も指摘されています。
今後の鋼材価格動向については、中国をメインにした需要の動向や現在価格の変動、地政学的なリスク、円安の影響、インフレの影響、各国の経済政策、技術革新などが影響すると考えられています。
特に中国の鋼材需要動向が鋼材の市場価格に大きく影響すると見込まれており、今後の動きに注意が必要です。
短期的には高値圏での推移が続く可能性が高いですが、中長期的には中国の需要動向や世界経済の状況次第で変動する可能性があります。また円安やインフレの影響も無視できないでしょう。
なお日本では脱炭素により、CO2を排出しない製鉄の研究開発投資や設備投資が必要になることから、価格は値上がりの傾向にあります。
また円安がさらに進むと輸入されるエネルギー価格が引き上がるため、製造や加工、輸送コストに影響を与え、間接的に鋼材価格を引き上げる形で影響を及ぼす恐れがあるでしょう。
ここでは、アルミパーテーションやスチールパーテーションに使用される鋼材について解説します。パーテーションに使用される鋼材は以下の通りです。
冷間圧延鋼板(SPCC)は、成形性・加工性に優れた特徴を持つ鋼材で、主に曲げ加工やプレス加工、簡単な絞り加工に適しております。
反面、表面に被覆がないため、めっき処理や塗装を施して使用するケースが一般的です。
塗装仕上げによって、美観を重視するオフィスに使用しやすい点が挙げられます。また強度がありながらも軽量であることに加え、流通量が多いため入手しやすいのも特徴です。
溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC)は、冷間圧延鋼板に溶融亜鉛めっきを施した鋼板です。
内装材、外装材など広く使用されています。耐食性と耐久性に優れているため、屋外や湿気の多い環境でも使用できます。また表面に傷がついても、亜鉛の犠牲防食作用によって腐食を防げるのも特徴です。ただし、表面に特有のスパングル模様が出ることがあり、美観を重視する場合には向きません。
意匠性が求められる場合には、焼付塗装した塗装溶融亜鉛めっき鋼板が広く使われています。パーテーションでは、耐食性、加工性、デザインに対応しやすい塗装溶融亜鉛めっき鋼板を表面材やドアなどに採用されており、美観を重視するオフィスなどに使用しやすい点が特徴です。
アルミニウム合金板は、アルミニウムと他の金属を合わせた合金材料です。
添加される金属には、銅、マグネシウム、シリコン、亜鉛、すずなどがあります。
軽量かつ強度がありアルミパーテーションのパネルに使用されるケースが多い素材です。耐食性にも優れており、錆びや腐食に強い特性を持つ他、押出加工や曲げ加工が容易で、複雑な形状のパーテーションデザインにも対応できます。
また、表面処理や着色が容易で、さまざまな外観デザインに対応できるなど、美観性の高さがあることに加え、再利用が容易で、環境に配慮した材料として評価されているのも特徴です。
ただし、熱伝導率が高いため断熱性には注意が必要な他、鉄に比べると強度が劣るため、用途に応じた適切な設計が必要です。
冷間圧延鋼板は、2021年後半から2022年後半までに比べると2023年からの価格は落ち着いています。2024年時点でも、2021年の水準と同じくらいの価格です。
アルミニウムの価格も同様に落ち着いてはいたものの、新型コロナウイルスの感染拡大前よりは高額になっているのが現状です。
鋼材価格の高騰にはさまざまな要因があります。建築業や製造業では、価格の推移や今後の動向を注視する必要があるでしょう。
なおパーテーションでのオフィス設計は、パーテーションラボにご相談ください。国内・海外からの鋼材調達の検討や代替材料の研究、生産効率の改善、新製品の開発、既存製品の改良などにより、全体的なコストを抑えながら製品価値の高い商品を提供できます。
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