オフィスのレイアウト変更、会議室の増設、来客スペースの確保など、空間を柔軟に活用したいと考えるとき、スライディングウォールは非常に有効な間仕切りのソリューションです。

スライディングウォールとは?メリットと注意点を解説!

しかし、「新設オフィスや大規模リフォーム時でなければ設置できないのでは?」「後付けはできるのだろうか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな疑問にお答えすべく、スライディングウォールの後付け設置の可能性から、設置方法、そして注意点までを徹底的に解説します。柔軟な働き方が求められる現代において、オフィス空間を最適化するためのヒントを、ぜひ見つけてください。

 

1.スライディングウォールがおススメのオフィスのスペース

 スライディングウォールは、その名の通り「スライドさせて動かせる壁」のことです。

通常は天井に設けられたレールに沿ってパネルを動かすことで、一つの空間を二つに分けたり、逆に壁を収納して広い空間を作り出したりできます。この柔軟性こそが、スライディングウォールの最大の魅力であり、多様な働き方に対応するオフィス空間には欠かせない要素となっています。

では、具体的に、オフィスのどのようなシーンでスライディングウォールが活躍するのでしょうか。

会議室を多様な会議形態に対応したい

現代の働き方において、会議の形態はさまざまです。大人数での全体会議、少人数のチームミーティング、オンライン会議、そして社外のクライアントとの打ち合わせなど、それぞれに適した空間が求められます。

  • 大規模な全体会議や研修: 壁を全て開放し、オフィスの一角や共有スペースを広々とした空間に変えることで、全社員が一堂に会する場を簡単に作り出せます。プロジェクターやホワイトボードなどの設備も自由に配置でき、ダイナミックなプレゼンテーションも可能です。

  • 少人数のミーティング: 必要に応じてスライディングウォールで空間を仕切り、複数の小規模な会議室を設けることができます。これにより、複数のチームが同時にミーティングを行っても、お互いの声が気にならず集中できる環境が整います。

  • 来客対応: プライバシーを確保したい社外との打ち合わせの際には、スライディングウォールで独立した個室を作り出すことができます。外部の目に触れることなく、機密性の高い内容についても安心して話し合えます。

このように、可動間仕切り壁として機能するスライディングウォールは、多様な会議のニーズに柔軟に対応し、空間を最大限に活用することを可能にします。

オフィスに従業員の集中と交流を促すスポットを設けたい

 オープンなオフィスは、社員間のコミュニケーションを活性化させる一方で、集中して作業に取り組みたいときには不向きな場合があります。スライディングウォールは、この「集中」と「交流」のバランスを取るのに非常に役立ちます。

  • 交流を促すオープンな空間: 日中は壁を収納し、社員が自由に動き回れる広々としたオープンスペースとして活用できます。これにより、部署やチームの垣根を越えたコミュニケーションが自然と生まれ、新しいアイデアが創出されやすくなります。

  • 集中作業のためのゾーニング: 特定のプロジェクトに集中したいときや、クリエイティブな作業に取り組むときには、スライディングウォールで空間を区切り、集中ブースや個室を設けることができます。これにより、周囲の喧騒から隔絶され、思考を深める環境が整います。

イベントスペースとして活用したいとき

オフィスを単なる「仕事場」としてだけでなく、社員のエンゲージメントを高めるための「イベントスペース」として活用する企業が増えています。

  • 社内イベントや懇親会: スライディングウォールを開放すれば、オフィスが広々としたイベントスペースに早変わりします。忘年会や歓迎会、社内表彰式など、さまざまなイベントをオフィス内で開催することができ、社内の一体感を高められます。

  • セミナーやワークショップ: 外部の講師を招いてセミナーを開催したり、社内向けのワークショップを開いたりする場合にも、空間を自由に区切れるスライディングウォールは非常に便利です。参加人数に応じてスペースの大きさを調整できるため、無駄のない空間利用が実現します。

 

2.オフィスシーン別のスライディングウォールの運用法

 スライディングウォールは、ただ空間を仕切るだけでなく、その運用方法を工夫することで、さらにオフィスの価値を高めることができます。ここでは、オフィスシーン別に具体的な運用法をご紹介します。

会議室での運用法

会議室にスライディングウォールを導入する場合、その可動式な動かし方を工夫することで、さまざまなメリットが生まれます。

  • 複数の会議室として利用: 通常はスライディングウォールを閉じて、大小複数の会議室として運用します。これにより、複数のチームが同時に会議を行うことができ、会議室の空き待ちを解消できます。

  • 研修室やセミナールームとして: 大人数の研修やセミナーを実施する際には、スライディングウォールを全て開放し、広々とした研修室として利用します。プロジェクターや音響設備も一箇所に集中させることで、準備の手間を減らすことができます。

  • パネルをホワイトボードとして活用: パネルの表面を特殊な加工にすることで、ホワイトボードとして活用することができます。ブレインストーミングやアイデア出しの際には、パネルいっぱいに自由に書き込み、思考を可視化できます。これにより、議論の活性化が期待できます。

執務スペースでの運用法

執務スペースにスライディングウォールを導入することは、集中とコミュニケーションのバランスを最適化するために有効です。

  • ゾーン分け: 「集中ゾーン」「コラボレーションゾーン」「休憩ゾーン」といったように、スライディングウォールで空間をゾーン分けすることで、それぞれの活動に適した環境を整えることができます。

  • プロジェクトチームの拠点: 新しいプロジェクトが始まるたびに、スライディングウォールでプロジェクトチーム専用の空間を作り出すことができます。これにより、チームメンバーが密にコミュニケーションを取りながら、集中的に作業に取り組める環境が整います。プロジェクト終了後には、再び壁を収納して元のオープンスペースに戻すことができます。

来客スペース・受付での運用法

会社の顔となる来客スペースや受付にスライディングウォールを導入することで、デザイン性と機能性を両立させることができます。

  • プライバシーの確保: 来客時にはスライディングウォールを閉じて、独立した応接室や商談スペースを作り出します。これにより、外部に会社の情報が漏れるリスクを低減し、安心して打ち合わせを進めることができます。

  • デザイン性の向上: スライディングウォールの素材やデザインにこだわることで、会社のブランドイメージを表現することができます。例えば、企業のロゴやコーポレートカラーを取り入れたり、ガラス素材を用いて開放感を演出したりするなど、さまざまなデザインが可能です。

  • 受付スペースの拡張: 通常はコンパクトな受付スペースを、来客が多い時間帯やイベント時にはスライディングウォールを開放して拡張することができます。これにより、来客の方々をスムーズにご案内でき、好印象を与えることができます。

 

3.スライディングウォールの後付けはできる?2つのスライディングウォール設置方法

「既存のオフィスにスライディングウォールを導入したい」と考えたとき、多くの方が気になるのが「後付けは可能なのか?」という点でしょう。結論から言うと、スライディングウォールの後付けは可能です。

スライディングウォールの設置方法には、主に以下の2つの方式があります。それぞれの方式にはメリット・デメリットがあり、既存のオフィスに設置する際には特に後付け方式が選択されることが多いです。

 

「天井面埋め込み方式」

埋め込み方式とは、スライディングウォールのレールを天井裏に埋め込む方法です。パネルを収納したときに、レールが天井に隠れるため、非常にすっきりとした美しい見た目が実現します。

スライディングウォール

  • メリット:

    • 高いデザイン性: 天井にレールが見えないため、空間全体が洗練された印象になります。

    • パネルのサイズ自由度が高い: パネルの重さを天井裏でしっかりと支えるため、大型のパネルや特殊な素材のパネルも設置しやすいです。

  • デメリット:

    • 大規模な工事が必要: 天井裏にレールを埋め込むため、天井ボードの解体や、場合によっては天井裏の設備(ダクト、配線など)の移設が必要となります。

    • コストと工期: 工事が大掛かりになるため、後付け方式に比べてコストが高く、工期も長くなる傾向があります。

    • スライディングウォール 天井 補強の重要性: 埋め込み方式の場合、パネルの重量を支えるために天井の構造部分にレールを固定する必要があります。そのため、天井裏の補強工事が不可欠となります。

「天井面後付け方式」

後付け方式とは、既存の天井面にレールを直接取り付ける方法です。既存の天井をそのまま活用するため、工事の手間やコストを抑えることができます。

  • メリット:

    • 工事が比較的容易: 天井裏の解体や設備の移設が不要なため、工事が短期間で済み、コストも抑えられます。

    • 既存のオフィスに最適: すでに内装が完成しているオフィスや店舗に、可動間仕切り壁を後から追加したい場合に最適な方法です。

  • デメリット:

    • レールが見える: 天井面にレールが露出するため、埋め込み方式に比べてデザイン性が劣る場合があります。

    • パネルの選択に制約: 天井の強度に直接影響されるため、パネルの重さやサイズに制約がある場合があります。

    天井面取り付け式は天井レールが露出するので、インテリアやデザイン性を重視したい場合は天井埋め込み式がおすすめです。オフィスの用途や雰囲気に馴染みやすい素材のスライディングウォールなら、導入後もスムーズに活用できるでしょう。

     

    4.スライディングウォール設置の注意点

     スライディングウォールは非常に便利なアイテムですが、設置する際にはいくつかの注意点を押さえておく必要があります。これらの注意点を事前に把握しておくことで、後々のトラブルを防ぎ、理想の空間を実現することができます。

    スライディングウォール 天井 補強の重要性: 埋め込み方式の場合、パネルの重量を支えるために天井の構造部分にレールを固定する必要があります。そのため、天井裏の補強工事が不可欠となります。

    天井の補強工事の有無

    スライディングウォールは、そのパネルの重量を天井のレールが支える構造になっています。そのため、設置場所の天井の強度が非常に重要となります。

    • 天井ボードの強度: 一般的なオフィスで使われている天井ボードは、軽量なパネルを吊り下げる程度の強度しかありません。そのため、重量のあるスライディングウォールを設置する際には、天井ボードのさらに上にある、建物の構造部分(スラブや梁)にレールを固定する必要があります。

    • スライディングウォール 天井 補強: 特に後付け方式で重いパネルを設置する場合、レールを固定する部分の天井を補強する工事が必要になる場合があります。この天井補強工事は、建物の構造に関わるため、専門の知識と技術を持った業者に依頼することが不可欠です。

    • 現地調査の重要性: 後付けでスライディングウォールを設置する際には、必ず事前に専門業者による現地調査を行い、天井裏の構造や強度、配管・配線の状況などを詳細に確認してもらいましょう。これにより、設置可否の判断や、必要な補強工事の内容を正確に把握することができます。

    付帯工事の有無とコスト

    スライディングウォールを設置することで、思わぬ付帯工事が必要になる場合があります。これらの工事内容によって、全体のコストが大きく変動する可能性があるため、事前に確認しておくことが大切です。

    • 照明・空調設備の移設: スライディングウォールで空間を仕切ることで、片方の空間に照明や空調設備が行き届かなくなる可能性があります。その場合、照明や空調設備を新たに追加したり、既存のものを移設したりする工事が必要になります。

    • コンセント・スイッチの配置: 壁で仕切った空間にコンセントやスイッチがない場合、電気配線工事が必要になります。特に、複数の会議室として利用する場合、各部屋にプロジェクター用のコンセントや照明スイッチが必要となるため、計画段階でしっかりと検討しておく必要があります。

    • 消防設備の変更: スライディングウォールで空間を仕切る場合、消防法に基づき、火災報知機やスプリンクラーの増設が必要になる場合があります。これは安全なオフィス環境を維持するために非常に重要な工事であり、専門業者や消防署と事前に相談して進める必要があります。

    スライディングウォール施工管理担当からのアドバイス

    スライディングウォールを導入する際は、期待する効果を最大限に引き出すため、事前の準備と専門的な視点が不可欠です。ここでは、失敗しないための心構えと、メーカーならではの具体的なアドバイスをご紹介します。

    • 「予算は余裕を持って確保しましょう!」

    スライディングウォール本体の費用に加え、予備費を含めて多めに予算を確保することをお勧めします。これは、スライディングウォール設置に伴う予期せぬ付帯工事が発生する可能性があるためです。

    特に注意が必要なのが、重量のあるパネルを選ぶ場合です。天井の軽量鉄骨下地や石膏ボードではパネルの重さに耐えられないため、建物の構造躯体であるスラブ(床版)にレールを固定する必要があります。このスラブに関する工事は、ビルのオーナーが指定する業者(B工事)が行うことが一般的で、費用が高額になるケースも少なくありません。 こうした付帯工事の費用を事前に把握し、予算に組み込んでおくことが、スムーズな導入の鍵となります。

    • 「徹底した現地調査が欠かせません!」

    レイアウトを計画する前に、設置予定場所の現地調査を徹底的に行うことが最も重要です。パネルの重量を支える天井の強度や、天井裏に空調ダクト、消防設備、照明器具などの配管・配線が通っていないかを入念に確認する必要があります。

    天井裏の状況によっては、そもそもスライディングウォールを設置できない、あるいは当初計画していた場所に設置できないといった事態も起こり得ます。

    専門家による詳細な現地調査は、こうしたリスクを回避し、最適な設置プランを策定するために不可欠です。当社では、お客様のオフィス環境を細かく調査し、設置場所の変更や、最適なパネル・設置方法をご提案することで、理想の空間づくりをサポートいたします。

    スライディングウォール設計担当からのアドバイス

      パーテーション施工事例|東京都千代田区 貸会議室のスライディングウォール

      まとめ|目的に合わせたスライディングウォールの後付けで、オフィスをリニューアル!

       スライディングウォールは、現代の多様な働き方に対応するオフィス空間を実現するための強力なツールです。既存のオフィスにも後付けで設置できるため、大規模な工事をすることなく、柔軟な空間利用が可能になります。

      しかし、その導入には天井補強の有無や付帯工事、パネルの選定など、専門的な知識が必要となります。計画段階から専門業者と密に連携し、現地調査をしっかりと行うことで、後々のトラブルを防ぎ、理想のオフィス環境を手に入れることができます。

      後付け方式でスライディングウォールを設置する流れ

      後付け方式でスライディングウォールを設置する際には、専門業者に依頼するのが一般的です。主な流れは以下の通りです。

      1. 現地調査・ヒアリング: 専門業者がオフィスを訪問し、設置場所の寸法や天井の高さ、構造、配線や空調設備の位置などを詳細に確認します。お客様の要望や使用目的などをヒアリングし、最適なプランを提案します。

      2. プランニング・見積もり: 現地調査の結果に基づき、スライディングウォールの種類(素材、デザイン、遮音性など)、パネルの枚数、設置位置などを決定し、詳細な見積もりを作成します。

      3. 契約・工事: プランと見積もりに合意後、契約を締結し、工事日程を調整します。工事当日は、経験豊富な職人が迅速かつ丁寧に設置作業を行います。

      4. 引き渡し・運用説明: 工事完了後、お客様に仕上がりを確認していただき、パネルの動かし方やメンテナンス方法などを説明し、引き渡しとなります。

       

      スライディングウォールの導入を検討される際には、パーテーションラボへご相談ください。オフィスの効率的な空間活用の実現に向けて、スライディングウォールの空間デザインから施工工事までワンストップでお手伝いします。

      専門メーカーならではの豊富な施工事例を元にお客さまの企業成長に合わせたオフィス設計と施工方法をご提案しておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。

       

      企業のオフィス移転等の間仕切りデザイン・内装工事業者はメーカー直販パーテーションラボ公式サイト(本社:東京)。相場の最大50%OFF、累計12万件超の施工実績、国内自社工場完備、熟練の職人が最短施工。無料レイアウト作成、ショールーム見学も歓迎!

      こちらの記事もよまれています↓

      お客様の声|ブラックパーテーションとスライディングウォールで叶えた理想のオフィス環境