快適で働きやすいオフィスにするコツとして、パーテーションを上手に活用することがあげられます。

パーテーションには、天井までの高さがあるハイパーテーションと、90~180cm程度のローパーテーションがあります。これらを用途に合わせて使い分けることで、従業員のプライバシーを守りつつ、コミュニケーションも取りやすい快適なオフィス環境をつくれるでしょう。そのためには、パーテーションの高さごとの特徴や役割を知っておく必要があります。

本記事では、オフィス用パーテーションの高さ別の使い分けや、機能的なオフィス空間を作るノウハウを解説します。

 

1.ハイパーテーションとローパーテーションの使い分け

 オフィス用パーテーションは、一般的に大きく2種類に分けられます。

一つは天井まで届く高さがあり、設置に工事を伴う「ハイパーテーション」。もう一つが、90~180cm程度の高さで設置工事を伴わない「ローパーテーション」です。

場所や用途によって上手く使い分けすることで、オフィスの機能性を高めることができます。ここでは、それぞれのパーテーションがどんな場面に適しているのかを解説していきます。

ハイパーテーションがおすすめな場面

ハイパーテーションは、プライバシーを確保したい空間をつくるのに適しています。天井までの高さがあるため、完全に視線を遮断でき、独立した個室のような空間をつくれます。これにより、機密性の高い会議や重要な商談での音漏れを防げる他、従業員が集中して業務に取り組めるスペースを確保できます。

ハイパーテーションは、プライバシーを確保したい空間をつくるのに適しています。天井までの高さがあるため、完全に視線を遮断でき、独立した個室のような空間をつくれます。

 

また、デザインの統一感を重視する場合にも、ハイパーテーションは適しています。天井までの高さがあるため、パーテーションだけが浮くことなく空間に溶け込みやすいためです。

 

ローパーテーションがおすすめな場面

ローパーテーションは、プライバシーを保ちながらも、従業員同士のコミュニケーションを妨げたくない場所への設置がおすすめです。

高さのバリエーションが豊富で、高さ120㎝程度の低めのものを使えば着席時の視線を完全に遮らず、周囲の雰囲気や動きを感じながら仕事ができます。そのため必要なときに声をかけやすく、自然なコミュニケーションが生まれやすい環境づくりに役立ちます。一方、高さ180㎝高めのものを選べば、よりプライバシー性を高められるでしょう。

ローパーテーションは、プライバシーを保ちながらも、従業員同士のコミュニケーションを妨げたくない場所への設置がおすすめです。複数の高さのパーテーションを組み合わせることで、デスクまわりの仕切りや休憩スペースの区切りなど、幅広い用途に対応できます。さらにローパーテーションは可動式のため、オフィスレイアウトの変更や急な打ち合わせなど、状況に合わせて柔軟に活用できるのも大きな特徴です。

 

また。複数の高さのパーテーションを組み合わせることで、デスクまわりの仕切りや休憩スペースの区切りなど、幅広い用途に対応できます。

さらにローパーテーションは可動式のため、オフィスレイアウトの変更や急な打ち合わせなど、状況に合わせて柔軟に活用できるのも大きな特徴です。

 

2.ローパーテーションの高さごとの用途

 ローパーテーションは、高さによって発揮できる機能や役割が異なります。大まかにいえば、低いものは開放感やコミュニケーションを重視した空間づくりに適し、高いものは視線や音を遮るなどプライバシー性を高める用途に向いています。

90〜100cm程度のローパーテーションは、デスクチェアに座った状態で頭部が少し見える程度の高さです。周囲の視線を適度に遮りつつ、座ったままでも従業員同士で自然なコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。

ここではローパーテーションを代表的な4つの高さに分けて、それぞれの特徴や活用シーンを紹介していきます。

90~100cm

90〜100cm程度のローパーテーションは、デスクチェアに座った状態で頭部が少し見える程度の高さです。周囲の視線を適度に遮りつつ、座ったままでも従業員同士で自然なコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。

完全に仕切る高さではないため、手元の作業を軽く隠しつつ、オープンな雰囲気を保てます。そのため、チームワークを重視しながらも各人で業務を進めたい場合に適しています。

120~130cm

高さ120〜130cmのローパーテーションは、ちょうど座ったときの目線と同じくらいの高さになります。

この高さは、従業員が集中して作業に取り組みたいときには視線を自然に遮り、周囲の動きを気にせず業務に専念できる環境をつくり出します。一方で、必要なときには少し背伸びをするだけで同僚と会話ができるため、チーム内でのコミュニケーションも取りやすいのが特徴です。

また、完全に仕切るわけではないため、オフィス全体の開放感を損なわずに適度なプライバシーを確保できる点もメリットです。部署ごとの作業エリアや執務スペースのゾーニングに活用すれば、メリハリのあるオフィスレイアウトを実現できます。

このようにローパーテーションは、集中と交流の両立を図りたいオフィスや、チームワークを重視しながら個々の働きやすさも確保したい環境におすすめのスタイルです。

150~160cm

150〜160cmの高さのローパーテーションは、座ったときに周囲の視線をしっかり遮れるのが特徴です。そのため、より高い集中力が求められる業務や、機密性を重視するエリアへの設置に適しています。

また簡易的なミーティングスペースや、備品置き場・資料保管エリアの目隠しとしても活用しやすい高さです。立ち上がれば周囲とコミュニケーションが取れる高さなので、空間の目的ごとに区切りながらも、開放感を保ちたいオフィスにおすすめです。

180cm以上

180cm以上の高さがあれば、ローパーテーションでも、独立性が高い空間を創出できます。パネルの高さがあるので、座っていても立っていても周囲の視線を遮りやすいのが特徴です。

この高さのローパーテーションにドアパネルなどを組み合わせれば、オフィス内に簡易的なミーティングルームや個室空間を作ることも可能です。

以上のように、ローパーテーションは、主に空間を柔らかく区切り、視線や音を部分的に遮る用途で使われます。レイアウト変更が容易な製品が多いのも特徴です。

 

高さの目安 遮蔽性の目安 主な設置場所・用途 活用のポイント
約1,000mm以下 着席時: 手元は隠れ、顔は見通せる(立ち上がれば全体が見える) デスク周り(対面・隣席) 集中しつつ、すぐにコミュニケーションが取れる環境づくり、飛沫防止(アクリルなどの透明素材の場合)。
約1,100mm〜1,300mm 着席時: 目線が隠れる(背伸びや立ち上がれば周囲を見渡せる) 執務エリア(デスク間の仕切り、集中個人ブース、通路と執務エリアの区切り) 作業への集中力向上、プライバシーの確保(座っている状態)。上司は立って業務状況を確認可能。塾の自習室など。
約1,500mm〜1,600mm 着席時: 全身が隠れる 立位時: 目線〜頭が出る程度 簡易ミーティングスペースOA機器スペース(目隠し)、部署の仕切り備品棚の目隠し 空間を明確に区切りつつ、圧迫感を軽減。立ち上がれば相互の様子を確認可能で、適度な開放感を維持。
約1,800mm〜2,100mm 立位時: 頭までほとんど隠れる 来客スペース(応接室、商談コーナー)、更衣室集中ブース簡易個室(ドアパネル併用) 高いプライバシーの確保。来客が立った際の視線も遮り、秘匿性の高い会話にも適している。簡易的な部屋のような空間を作りたい場合に有効。

 

3. ハイパーテーションの活用例

 壁に近い機能を持つハイパーテーションは、独立した個室の設置、高い遮音性やセキュリティが必要な場所作りに使われます。通常、設置には工事が必要です。

パーテーションの主な種類 主な設置場所・用途 活用のポイント
アルミパーテーション 会議室役員室倉庫執務エリアの間仕切り 比較的安価で軽量。個室をつくる際によく使われる。天井付近に開口部(欄間)を設けることで、消防法の適用を柔軟にできる場合がある。
スチールパーテーション 会議室サーバールーム機密文書保管室 不燃性・遮音性に優れているため、機密性の高い会議室や、音漏れを防ぎたい場所に最適。頑丈でセキュリティ性も高い。
ガラスパーテーション エントランス会議室役員室 仕切りながら彩光と視認性を確保できることから、目隠しとデザイン性の両立でオフィス内装に人気のパーテーション。昨今は、スタイリッシュな意匠が役員室やエントランス用としても人気。

 

種類 主な設置場所・用途 特徴と効果
吸音パーテーション 商談スペース会議室、デスク廻り 内部の反響音を抑制し、クリアな音環境を確保。外部への音漏れ軽減にも役立つ。デスクトップ(卓上)用も。
スライディングウォール 多目的スペース研修室イベント会場 拡縮機能で、柔軟なレイアウトと変更が可能。一時的な仕切りや、ゾーニングの変更が頻繁な場所に。
グリーンパーテーション リフレッシュスペース(休憩室)執務エリア、エントランス 観葉植物の癒し効果により、リラックスできる空間を演出。ウォールグリーンなどデザイン性も高い。
パーソナルブース Web会議ブース集中作業スペース

可動式簡易パーソナルブースは、オフィスで、ご家庭で、持ち運びできる軽さが〇。組み立ても簡単、立てるだけ即席の仕切りが出来上がります。

 

5.パーテーションの高さを決める際のポイント

 パーテーションの高さを決める際には、ここまでに述べてきたような、プライバシーの必要性」、「コミュニケーションの頻度」、「圧迫感の許容度」、そして「消防法などの法令」を考慮して選ぶことが重要です。

ここでは、パーテーションの高さを決める際に意識したい4つのポイントを紹介します。

既存の家具との組み合わせを考える

パーテーションの高さを決定する際は、オフィスにある既存の家具とのバランスを意識することが大切です。先述した高さ別の特徴を踏まえつつ、実際使う場面をイメージしながら高さを考えると良いでしょう。

例えば、低めのソファを配置した打ち合わせスペースの場合、高さのあるパーテーションを設置すると思っていた以上の圧迫感が生まれる場合があります。圧迫感はオフィスの居心地の悪さにつながるため、既存家具とパーテーションの高さのバランスを保つことが大切です。

導入を検討する際には、実際の利用シーンを想定しながら、メジャーで高さを測るなどして空間に合ったサイズを選ぶようにしましょう。

見通しの良さを考える

パーテーションの高さはオフィスの見通しの良さにも影響を与えます。

例えば、高さのあるパーテーションを多用し過ぎると、オフィスが細分化されて窮屈な印象を与えてしまいます。このような状況を避けるためには、ローパーテーションを上手く取り入れて、空間の開放感を保ちながら必要な間仕切りを行うことが大切です。

また、どうしても高さのあるパーテーションを多く設置したい場合は、半透明のパネルを部分的に使用したり、ホワイト系など明るいカラーを選んだりすることで圧迫感をやわらげられます。

オフィス全体のバランスを見ながら、パーテーションの高さと素材を工夫して、見通しの良さを保ちましょう。

消防法による規制を考慮する

パーテーションをオフィスに設置する際、消防法の規制に適合しているかどうかも確認しましょう。

天井まで高さがあるハイパーテーションで空間を完全に区切る場合、消防法に従って煙感知器やスプリンクラーなどの防災設備の設置が義務付けられるケースがあります。しかし、パーテーションの天井付近に欄間などで通風を確保できる開口部がある場合は防災設備の設置が必要ないなど、その条件は複雑です。

法的なトラブルや追加工事を避けるためには、パーテーション施工に詳しい専門業者やビル管理者に相談するのが安心です。施工前に必ず確認を行い、消防法を満たすパーテーションを選ぶようにしましょう。

機能性の高いパーテーションも検討する

機能性の高いパーテーションを選べば、オフィスの快適さをさらに向上させることができます。

例えば、パネル部分がホワイトボードになっているタイプは、打ち合わせ時に便利です。アイデアを書き出したり資料を掲示したりできるので、視覚的な情報共有を行いやすくなります。

また吸音性の高い素材のパネルを使ったパーテーションなら、周囲の雑音や会話を遮断して集中しやすい環境をつくれます。オフィス環境の清潔さにこだわるなら、抗菌加工が施されたパネルを採用したり、取り外して洗濯できる素材のパネルを選んだりするのも良いでしょう。

近年はこうした多機能型パーテーションも増えているため、オフィスの目的に合わせて導入すれば、より快適で機能的な空間を実現できるでしょう。

内装のパーテーションの高さを決める際には、プライバシーの必要性」、「コミュニケーションの頻度」、「圧迫感の許容度」、そして「消防法などの法令」を考慮して選ぶことが重要です。

 

まとめ

 オフィス用パーテーションには、天井までの高さがあるハイパーテーションと、90〜180cm以上までさまざまな高さがあるローパーテーションがあります。

パーテーションの高さを選ぶ際には、「プライバシーの必要性」、「コミュニケーションの頻度」、「圧迫感の許容度」、そして「消防法などの法令」を考慮して選ぶことが重要です。

そして、既存家具とのバランス、オフィス全体の見通し、防災関連の法規制、そして空間に求める機能性などを総合的に考慮することが重要です。

ハイパーテーションとローパーテーションを上手に組み合わせれば、プライバシーの確保とコミュニケーションのしやすさを両立した理想的なワークスペースを実現できます。オフィスの各スペースが求めている機能に合わせてどの高さのパーテーションを導入すれば良いか悩んでいる方は、パーテーション施工の専門業者に相談するのがおすすめです。

パーテーションラボでは、「人と組織の可能性を広げる空間を創造する」というビジョンを掲げ、お客さまのオフィス環境に適したパーテーションを提案し、施工デザインから工事まで一貫して対応しています。豊富な製品ラインナップと専門的なノウハウで、機能性とデザイン性を兼ね備えたオフィス空間づくりをサポートいたします。オフィスに適した高さのパーテーションの導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。

 

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