コロナウィルスやインフルエンザなど近年の感染症流行を経て、企業には従業員が安心して働ける環境を整える「安全配慮義務」の履行が強く求められています。

特にオフィスや工場は人の出入りが多く、共有スペースでの接触や会話が避けられないため、感染リスクを正しく理解し、物理的な対策を講じることが不可欠です
本記事では、内装間仕切りの専門の視点から、施工型パーテーションによる感染症対策の有用性と、具体的な空間設計のノウハウについて解説します。一般企業の総務担当者様から内装施工業者様まで、これからオフィス改装や移転を検討している方に向けて、感染症対策も考慮した環境構築に役立つをお届けします。

1. 感染症対策が企業の存続を左右する?「安全配慮義務」とオフィスの役割

 企業がオフィスでの感染対策を徹底することは、単に従業員の健康を守るだけでなく、経営におけるリスク管理そのものです。その重要性は主に以下の4つの観点から説明できます。

従業員の働きやすさと生産性の向上

感染リスクが低い環境は、従業員の心理的負担を軽減し、業務へのモチベーション維持に寄与します。また、対策が不十分で欠勤者が増えると、他の従業員に業務が偏り、組織全体の生産性が低下してしまいます

安全配慮義務の遵守

企業には、労働契約法第5条に基づき、労働者の安全を確保する「安全配慮義務」があります。感染対策を怠りクラスターが発生した場合、安全配慮義務違反とみなされ、社会的信用の失墜や民事訴訟に発展するリスクもあります
※参考:e-GOV.「労働契約法」.(2020-04-01)

クラスター発生による事業停止(BCP)の回避

オフィスは密閉・密集しやすく、一度感染が広がるとクラスター化しやすい環境です。クラスターが発生すれば、業務停止や納期遅延などの二次被害が発生します。日頃から空間を適切に区切ることで、被害を最小限に抑える体制を整えることが重要です

企業価値と信頼性の向上

「従業員の健康を大切にする会社」という姿勢は、取引先や求職者からの信頼、さらにはCSR(企業の社会的責任)の観点からも高く評価されます
オフィスの主な感染経路は、ドアノブなどを介した「接触感染」と、会話や咳による「飛沫感染」です。これらのリスクを抑えるためには、物理的な仕切りであるパーテーションの設置が極めて効果的です

 

2.オフィスでの主な感染経路

 オフィス内に感染症が広がる要因には、接触感染と飛沫感染があります。ここでは、2つの感染経路を詳しく見ていきましょう。

接触感染

接触感染は、皮膚や粘膜などがウイルスに汚染された共有物に触れると起こります。

オフィス内で起こる代表的な接触感染の場所は、ドアノブやエレベーターボタン、オフィス機器などです。他にも、ウイルスに感染している取引担当者との握手など、直接的な接触も原因になります。接触感染をしたまま自分の鼻や口などに触れると、手指に付着したウイルスを体内に取り込んでしまいます。

このようなリスクを抑えるには、共有物を定期的に消毒したり、従業員の手洗いを習慣化したりする対策が効果的です。

飛沫感染

飛沫感染は、従業員同士の会話や咳の際、飛沫からウイルスに感染すると起こります。

オフィスで飛沫感染が起きやすいのは、会議室や休憩室、食堂など人が集まりやすい場所です。特に、窓のない会議室など換気が不十分な部屋では、ウイルスに感染した人の飛沫が空気中にとどまりやすく、感染のリスクが高まります。

飛沫感染を防ぐには、企業がデスクの間隔を空けて従業員同士の距離を保ったり、パーテーションを使って間仕切りをしたりする方法が有効です。物理的な対策と環境改善を組み合わせて、飛沫感染を防ぎやすいオフィスを目指しましょう。

 

3.オフィスにおける感染対策

 オフィス内で従業員の感染リスクを下げるには、マスクの着用や手洗い、空間の仕切り、働き方の見直しなどさまざまな対策が必要です。ここでは、代表的な感染対策を5つのポイントに分けて見ていきましょう。

マスクの着用

マスクの着用は、飛沫感染のリスクを減らす対策の一つです。

特に、対面接客や会議など、近い距離で人と接する業務で効果的です。また感染症から回復して体調が万全でない従業員や、体調不良を感じている従業員がマスクを着用して出勤すると、周囲への感染リスクを下げられます。

従業員のマスクの着用を促進するには、マスク着用のルールを明確にして全従業員に周知しておくことが大切です。オフィス全体の安心感にもつながるため、従業員の誰もがマスクの着用に理解を示し、取り組めるようにしましょう。

手洗い・消毒

手洗いや消毒は、接触感染を減らす対策の一つです。

手洗いの際は石けん、消毒の際はアルコールを正しく使用すると、ウイルスの除菌に効果的です。営業担当者が外回りからオフィスに戻った際の手洗いや、会議室を使用した後のテーブルのアルコール消毒など、1日を通じて小まめな対応を実施しましょう。

企業がオフィス内に手洗い・消毒ポイントを複数設置すると、従業員が手洗いや消毒を習慣化しやすくなります。このように、従業員が日常的に感染対策に取り組めるような環境づくりも重要です。

パーテーションの設置

パーテーションの設置も、飛沫感染の対策に効果を発揮します。

パーテーションは、オフィスのレイアウトを大きく変更せずに間仕切りをしたい場合に便利です。執務エリアや応接スペース、会議室など、従業員が密集しやすい場所に設置すれば、接触機会を減らして飛沫感染のリスクを下げてくれます。

またパーテーションは豊富なサイズやデザインがあるので、オフィスの雰囲気に合うものが見つかりやすいことも魅力です。キャスターが付いた可動式パーテーションなら、必要に応じて手軽に移動できます。従業員の視界を遮りたくない場合は、透明なパネルのパーテーションを選ぶのもおすすめです。オフィスのニーズに合うパーテーションを見つけて、飛沫感染対策に役立てましょう。

ペーパーレス化

ペーパーレス化も、接触感染を防ぐ有効な対策の一つです。

近年、書類を電子データで管理するペーパーレス化が進んでいます。社内のデジタル化推進に伴う変化の一つですが、書類に付着したウイルスへの接触感染を防ぐ効果もあります。さらに、電子データの資料はオンライン上で受け渡しができるため業務効率が良いだけではなく、従業員が対面で接触する回数を減らせることも大きなメリットです。

他にも、ペーパーレス化は紙の印刷や保管にかかるコストを削減できるので、経営面でもプラスの効果があります。このように、ペーパーレス化は、業務効率の向上と感染対策の両立を目指したい企業におすすめです。

テレワーク導入・オフィス分散化

オフィスの感染対策には、テレワークの導入やオフィスの分散化も効果的です。

テレワークを導入すると、オフィスへの出社人数を減らせます。その結果、オフィス内の人口密度が高まるのを防ぎ、接触や飛沫による感染リスクを抑えられます。また企業がサテライトオフィスを活用してオフィスの分散化を行うと、クラスターが発生しても他の拠点に影響が出ず、企業の業務安定につながります。

さらに、テレワークの導入は、近年注目されている働き方の多様化にも役立ちます。感染対策をしながら従業員のワークライフバランスの向上も実現できるなどメリットが多いため、感染対策の一環として取り入れてみましょう。

 

オフィス内で従業員の感染リスクを下げるには、マスクの着用や手洗い、空間の仕切り、働き方の見直しなどさまざまな対策が必要です。ここでは、代表的な感染対策を5つのポイントに分けて見ていきましょう。

 

4. 飛沫を物理的に遮断!施工型パーテーションのメリット

 感染症対策として、布製の衝立やビニールカーテン、あるいは卓上パネルを導入する例も見られますが、「空間全体の衛生管理」という視点では不十分なケースが多々あります。確実な防御力と長期的な機能性を両立させるなら、床・壁・天井に固定する「施工型パーテーション」が最適です。

空間の完全分離と交差汚染の防止

簡易的な衝立やシートは、隙間からの空気漏れや、人が通る際の揺れによる気流の乱れを防げません。天井まで届く「フルハイトタイプ」の施工型パーテーションは、空間を構造的に切り分けるため、空気中の微細な飛沫を物理的に遮断。エリアを明確に分断することで、エリア間での交差汚染(クロスコンタミネーション)のリスクを最小限に抑えます。

エンジニアリングに基づいた換気設計

単に「置く」だけの什器とは異なり、施工型は建物の空調システムと連動した設計が可能です。例えば、空気の入口(給気)と出口(排気)を計算し、パーテーションの上部をあえて開ける「ランマオープン」仕様や、特定のブース内だけを独立換気させる仕様など、空気の「淀み」を科学的に解消する「空気の通り道」を創出できます。

「抗菌・不燃・耐久性」に優れた建材性能

ビニールシートや布製衝立は、消毒による劣化や引火のリスクが懸念されます。施工型で用いられるアルミやスチールパネル、強化ガラスは、高濃度のアルコールや薬液による頻繁な拭き上げに耐えうる優れたメンテナンス性を備えています。さらに「不燃認定」を受けた素材を使用することで、火災のリスクを排除しながら、長期間クリーンな状態を維持できます。

5. 【徹底比較】従来工法(LGS壁)を凌駕する、科学的根拠に基づいた衛生優位性

「壁を作るなら、いつものLGS(軽量鉄骨)造で良いのでは?」

そう思われがちですが、感染症対策という観点において、LGS壁と施工型パーテーションの間には、素材と構造に由来する決定的な「衛生レベルの差」が存在します。ここでは、建築・素材のファクト(事実)に基づき、その違いを解説します。

①【耐薬品性】高濃度消毒に耐える「焼付塗装」の強さ

感染症対策の基本は、次亜塩素酸ナトリウムやアルコールによる頻繁な清掃です。

  • LGS壁(ビニールクロス)のリスク:

    一般的なビニールクロスは、高頻度の薬品拭き上げを想定していません。厚生労働省が推奨する「0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液」での清掃を繰り返すと、クロス表面の可塑剤が抜け、「硬化・ひび割れ・変色」が発生します。その微細なクラック(ひび)が、新たなウイルスの隠れ家となります。

  • 施工型パーテーション(スチール/アルミ)のメリット:

    施工型パネルの表面は、工場で「焼付塗装(メラミンやアクリル樹脂などを高温で硬化)」または「オレフィンシート等の不燃化粧鋼板」仕上げが可能です。これらは塗膜硬度が高く、薬品による溶解や浸透が物理的に起こりません。

    『手術室の壁にスチールパネルが選ばれる理由』
    手術室の壁がスチールパネルでできているのは、主に「消毒のしやすさ」と「清潔さの保持」が非常に重要だからです。

    ●消毒に強い素材
    耐薬品性: 手術室は、細菌やウイルスが一切許されない場所です。そのため、強力な消毒液で頻繁に清掃されます。スチールパネルは、これらの消毒液に強く、素材が劣化したり傷んだりしにくい性質があります。
    平滑性: 表面が非常に滑らかで、継ぎ目も少ないのがスチールパネルの特徴です。この平滑性により、消毒液が隅々まで行き渡りやすく、汚れや細菌が入り込む隙間がほとんどありません。
    清潔さを保つ工夫
    高い清掃性: 表面が滑らかなので、汚れが付着しにくく、拭き取るだけで簡単に清潔な状態を保てます。
    耐久性: 医療現場では、様々な機器の搬入や移動があるため、壁にぶつかることもあります。スチールパネルは強度が高く、傷がつきにくいので、長期間にわたって清潔な状態を維持できます。
    これらの理由から、手術室の壁には、滅菌レベルの消毒に耐えられ、かつ平滑で清潔さを保ちやすいスチールパネルが広く採用されています。

 

② 薬品消毒に耐えうる「表面の平滑性と非吸収性」

見えない壁の中や表面での菌の増殖を防げるかどうかが、長期的な衛生環境を左右します。

  • LGS壁(石膏ボード+糊)のリスク:

    LGS壁の内部は中空で、湿気が溜まりやすい構造です。さらに、構成部材である「石膏ボードの紙」や「クロスを貼るための糊(デンプン系)」は有機物であり、カビ(真菌)の栄養源となります。壁内部でカビが繁殖し、胞子が隙間から室内へ飛散するリスク(シックハウス等)は、LGS構造の宿命的弱点です。

  • 施工型パーテーションのメリット:

    アルミやスチールは「完全無機物」です。カビや細菌が栄養として摂取できないため、物理的に繁殖が不可能です。また、パネルの継ぎ目(目地)も樹脂や金属で密閉されるため、内部への湿気侵入もシャットアウトします。

③ 【コンタミネーション制御】粉塵ゼロの「ドライ工法」

改修工事そのものが、衛生環境を破壊してはなりません。

  • LGS壁(ウェット/粉塵工法)のリスク:

    LGS壁の設置や解体には、石膏ボードの切断が伴います。この際、大量の微細な石膏粉(粉塵)が飛散します。これらはPCやサーバーの故障原因になるだけでなく、呼吸器系への悪影響も懸念されます。稼働中のオフィスや工場でこの工事を行うには、大規模な養生と長時間の操業停止が不可欠です。

  • 施工型パーテーションのファクト:

    基本的には、工場でサイズ加工されたパネルを現場で組み上げるだけの「完全ドライ工法」です。切断粉が出ないため、クリーンルーム内での工事さえ可能です。「感染症隔離ブースを急ぎ作りたい」という緊急時でも、周囲の業務環境を汚染することなく、清潔に工事が完了します。

【比較表】感染症対策スペックとしての「壁」の性能差

検証項目 施工型パーテーション(スチール/アルミ) 従来工法(LGS壁+クロス) 衛生学的判定
表面の平滑性

極めて高い


(細菌や汚れが残留しにくい)

低い


(エンボス加工の凹凸に汚れが溜まる)

施工型の勝ち
耐薬品性

高い


(次亜塩素酸・アルコールで変化しない)

低い


(変色・剥がれ・硬化のリスク大)

施工型の勝ち
生物的抵抗性

無機質


(カビ・ダニの栄養源にならない)

有機質含む


(糊や紙がカビの栄養になる)

施工型の勝ち
気密性・構造

工業的精度


(均一な品質管理)

職人の腕に依存


(隙間が生じる可能性あり)

施工型の勝ち

感染症対策とは、一時的な凌ぎではなく、「清掃しやすく、菌が増えず、換気コントロールができる環境」を維持し続けることです。 素材レベルで汚染に強く、構造レベルで空気を管理できる施工型パーテーションは、単なる間仕切りではなく、「巨大な衛生装置」として機能します。これこそが、医療施設や精密工場がLGSではなく施工型パネルを採用し続ける最大の理由です。

6. オフィス・工場・倉庫の空間別ノウハウ:クラスターを防ぐ「ゾーニング」と「隔離室」

 場所ごとに最適なレイアウトを構築する「ゾーニング」は、クラスター発生を防ぐための要です。

執務エリア:ブロック化によるリスク分散

デスクの島ごとに高さ140cm〜160cm程度のパーテーションを設置し、対面や隣席からの飛沫を物理的にブロックします。これにより、万が一感染者が出た場合でも、濃厚接触者の範囲を最小限の「ブロック」内に留めることができます。

会議室・応接室:安全なシェルター化

不特定多数が集まりやすい会議室には、抗菌・抗ウイルス性能を持つパネルの採用が効果的です。また、密閉を避けるためのレイアウト変更や、透明度の高いガラスパーテーションによる視認性の確保も検討すべきです

工場・倉庫:ファクトリーブースの活用

天井が高く、広い工場や倉庫では、通常の仕切りでは空調や換気が追いつきません。そこで有効なのが、屋根付きの「ファクトリーブース」です
1. 独立環境の構築: 内部だけを個別のエアコンや空気清浄機でクリーンに保てます
2. 陰圧化による隔離: 排気ファンを設置し内部を「陰圧」にすれば、ウイルスを外に漏らさない高度な隔離環境を安価に構築できます
【重要】隔離室(一時待機スペース)の設置
勤務中に体調不良者が出た際、他の従業員や来客から完全に分離された「一時隔離スペース」の有無が、二次感染拡大を防ぐ分水嶺となります。施工型パーテーションであれば、オフィスのデッドスペースを有効活用して、こうした専用ルームを迅速に構築可能です。
工場(工場内)・倉庫に最適なパーテーション(ファクトリーブース)をお探しならパーテーションラボへ。累計10万件以上の実績で培った技術で、遮音性・防塵性に優れた天井付きファクトリーブースをご提供。事務室や休憩室など、快適な空間作りを実現します。

まとめ|感染対策を含めた、トータルな働く環境改善の空間創り

 企業がオフィスで感染対策を進める重要性には、さまざまな側面があります。

企業の安全配慮義務の遵守だけではなく、従業員の働きやすさの確保やクラスター防止は、企業の信頼性を高めることにもつながります。従業員が安心して働けるオフィス環境にするには、接触・飛沫感染が起きやすい場所を把握し、複数の対策を組み合わせるのが有効です。

 

オフィスの感染対策を含めたトータルな環境改善には、専門的な知識が不可欠です。「パーテーションラボ」は、オフィス設計やレイアウトの豊富な実績を活かし、お客様の課題を解決します。
スピード対応と無償の設計サポート: CADによる高精度なレイアウト図面を無償で作成し、最短3営業日で提供します。導入後のイメージを視覚的に共有できるため、意思決定がスムーズです。
消防法・法令遵守のノウハウ: 「ランマオープン」の活用や不燃材料の選定など、消防法をクリアした安全なブース設置をプロの視点からアドバイスします
多様な製品ラインナップ: アルミ、スチール、ガラスといった定番から、移動に便利なローパーテーション、さらにはスライディングウォールや吸音パーテーションまで、ニーズに合わせた最適な製品を提案します
BCP対策としてのオフィス分散化: テレワークの導入支援や、サテライトオフィスの構築といったオフィスの分散化提案も行っています。これにより、一拠点でクラスターが発生しても事業を継続できる強固な体制づくりをサポートします

感染対策を含めたトータルなオフィス改善を考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

企業のオフィス移転等の間仕切りデザイン・内装工事業者はメーカー直販パーテーションラボ公式サイトにお任せください。

ポッドキャストで深堀り解説!↓

あわせて読みたい人気記事はこちら↓