多様な働き方が浸透する現代において、「集中できる個室(Web会議ブース)が欲しい」「開放的でコミュニケーションが生まれるミーティングスペースを作りたい」など、オフィス空間に対する企業のニーズは急速に変化しています。

オフィス移転や大幅な改装を任されたプロジェクト担当者様にとって、「限られた予算内でいかに最適な空間を構築するか」は最大のミッションです。オフィスの空間を間仕切ることは、単に空間をデザインするだけでなく、社員の生産性や企業ブランディングに直結する重要な経営課題と言えます。

しかし、いざ空間を仕切ろうとした際、「どの方法を選べばいいのか」「トータルでいくらかかるのか」、そして「活用できる補助金はないのか」と悩まれるケースは少なくありません。

本記事では、空間創造のスペシャリストの視点から、オフィスを間仕切る代表的な4つの方法を比較し、見落としがちな「トータルコスト(初期費用・ランニングコスト・原状回復費)」の考え方、さらに費用負担を軽減する補助金・助成金の活用法について詳しく解説します。

 

1. オフィス空間を間仕切る4つの代表的な方法

 オフィスの空間を間仕切るには大きく分けて4つの方法があります。自社の目的と照らし合わせて確認してみましょう。

① 造作壁(LGS・固定壁)

木材や軽量鉄骨(LGS)の柱に石膏ボードを張り、塗装や壁紙(クロス)、タイルなどで仕上げる、いわゆる「壁を作る」方法です。

  • メリット:

    • 圧倒的なデザイン性と重厚感: コーポレートカラーの塗装や特殊な素材の貼り付けなど、完全オーダーメイドで自由な設計が行えます。企業の顔となるエントランスや、格式高い役員室などに最適です。

    • 高い防音性と機密性: 壁の中に防音材を充填することで、非常に高い防音性能を持たせることが可能です。

  • デメリット:

    • コストが高く、工期が長い: 大工、クロス職人など複数の業者が入るため、初期費用が高額になりがちです。

    • 柔軟性の欠如: 一度建てるとレイアウト変更が難しく、撤去時には大規模な解体工事が必要になります。

② 施工型パーテーション(アルミ・スチール・ガラス)

オフィス間仕切りにおいて、現在最も主流となっているのが施工型パーテーションです。

  • メリット:

    • 機能・コスト・工期の好バランス: 工場生産されたパネルを現場で組み立てるため、造作壁に比べて工期が圧倒的に短く(数日で完了)、コストも抑えられます。

    • 目的に応じた素材選び: 不燃性・防音性に優れた「スチール」、コストパフォーマンスに優れた「アルミ」、採光性と開放感を演出する「ガラス」など、空間の用途に合わせて選択・組み合わせが可能です。

    • 移設・再利用(リユース)が可能: ここが最大のメリットです。将来的なレイアウト変更やオフィス移転の際、部材を解体して新しいレイアウトで再利用できるため、中長期的なコストを劇的に下げることができます(※一部部材を除く)。

  • デメリット:

    • パネルの継ぎ目(目地)が生じる: シームレスな造作壁に比べると、構造上どうしてもパネル同士の継ぎ目が見えます。ただし、近年は木目調シートなどで意匠性を高めた製品も豊富に揃っています。

③ ローパーテーション

床に置くタイプの簡易的な間仕切りです。天井まで届かないため、専門的な施工工事を必要としません。

  • メリット:

    • 設置・移動が容易で低コスト: 既製品を購入して置くだけのため、初期費用が安く、社員の手で簡単に移動やレイアウト変更が可能です。

  • デメリット:

    • 防音性・機密性は皆無: 視線を遮る(目隠し)用途にとどまり、音漏れは防げないため、機密情報を扱う会議室などには不向きです。

④ オフィス家具・什器(収納庫・ソファ等)

背の高いキャビネットや、背もたれが高いパネル付きソファなどを利用して、空間をゆるやかに仕切る方法です。

  • メリット:

    • 追加の間仕切りコストがほぼゼロ: 収納機能や座席としての機能を兼ね備えているため、一石二鳥のゾーニングが可能です。

  • デメリット:

    • 安全性と高さの制限: 地震対策のため、背の高い家具を単独で間仕切りとして置く場合は転倒防止策が必須となり、完全な空間の遮断はできません。

 

オフィス空間を間仕切る4つの代表的な方法

 

2. 【重要】決裁を通すための「トータルコスト」徹底比較

 経営層にオフィスの改装・移転プランを提案する際、「初期費用(導入費)」だけの比較では不十分です。

企業の成長に伴う組織改編、働き方の変化、そして将来の「退去」を見据えた、「ランニングコスト」「原状回復工事費」を含めた『トータルコスト』でプレゼンすることが、担当者は必須となります。

間仕切り工法 初期費用(導入時) ランニングコスト(レイアウト変更時) 原状回復費(退去時) トータルコスト評価
① 造作壁(LGS) (大工・塗装・クロス等の複合工事) (解体・廃棄・新設工事が都度必要) 極めて高(完全解体・大量の産廃処理・天井/床の補修費) (デザイン特化・不変の空間向け)
② 施工型パーテーション (アルミ・スチール等で変動) 低〜中(解体・再組み立てによる移設が可能) 低〜中(廃材が少なく、ビス穴補修程度で済むケースが多い) (コスパ・機能性・SDGsの最適解)
③ ローパーテーション (製品購入のみ) 極低(自社スタッフで移動可能) (自社資産として持ち出し・転用可能) (簡易的な目隠し用途に限定)
④ オフィス家具 (家具購入費のみ) 極低(自社スタッフで配置換え可能) (自社資産として持ち出し可能) (ゆるやかなゾーニング用途に限定)

【プロの視点】原状回復費用の「見えない罠」

テナントビルを退去する際、オフィスを借りた当時の状態に戻す「原状回復工事」が義務付けられています。昨今の資材高騰・人手不足により、この費用は上昇傾向にあります。

「造作壁」は解体時に大量の産業廃棄物(石膏ボード等)が発生し、壁を固定していた天井や床の補修費用も高額になります。対して「施工型パーテーション」は、解体がスムーズで廃材も少なく済むため、退去時の無駄なコストを大幅に圧縮でき、リユースによる環境配慮(SDGs)の観点からも企業価値向上に貢献します。

3. 費用負担を軽減!オフィス移転・改装で活用できる補助金・助成金

 オフィス環境の整備には多額の費用がかかりますが、国や自治体の補助金・助成金を賢く活用することで、コストを大幅に抑えることが可能です。

特に注目したいのが、Web会議ブース(防音パーテーション)の導入などで活用実績の多い「働き方改革推進支援助成金」です。

① 働き方改革推進支援助成金(2026年度/令和8年度のスケジュール予測)

「働き方改革推進支援助成金」は、中小企業が労働時間短縮や年次有給休暇取得促進など、働き方改革に取り組む費用を助成する制度です。この助成金は、厚生労働省が支援し、従業員が働きやすい環境整備を目的としています。

制度の目的と対象

  • 目的: 生産性向上と働き方改革の実現。長時間労働の是正や有給休暇の促進、従業員のモチベーション向上。

  • 対象事業者: 中小企業事業主(※個人事業主も条件を満たせば申請可能)。

助成対象となる取り組み

助成対象となる取り組みには、就業規則等の整備や制度導入のほか、「設備投資」が含まれます。 オフィス改装においては、「集中して業務を行えるWeb会議用の個別ブース(防音パーテーション)の導入」などが、労働能率の増進に資する設備投資として認められ、助成の対象となるケースがあります。

コースの種類

働き方改革推進支援助成金には、主に以下の4つのコースがあります(※2026年度は新たに「取引環境改善コース(仮称)」の新設も予定されています)。

コース名 内容 対象
労働時間短縮・年休促進支援コース 生産性向上と労働時間短縮、年休促進に向けた環境整備 中小企業事業主
勤務間インターバル導入コース 勤務終了から次の勤務開始までの休息時間確保 中小企業事業主
業種別課題対応コース 特定業種(建設、物流、医療等)の時間外労働削減、週休2日推進 特定の中小企業事業主
団体推進コース 事業主団体が傘下企業の労働条件改善を支援 事業主団体等

本助成金は例年人気が高く、「知っていたのに申請に間に合わなかった」というケースが後を絶ちません。 2026年度の正式な公募はこれからですが、過去の傾向から予測されるスケジュールは以下の通りです。

【2026年度(令和8年度)公募スケジュール予測】

手続きステップ 予測される時期(2026年度) 過去(2025年度)の実績・根拠
① 公募開始(受付開始) 2026年4月上旬〜中旬

2025年は4月1日に受付開始。

② 交付申請期限 2026年11月下旬 2025年は11月28日(金)が締切
③ 事業実施期間 交付決定日 ~ 2027年1月末 2025年は原則1月30日まで(団体推進コース等は2月中旬)
④ 支給申請期限 事業終了後30日以内、または2027年2月上旬 2025年は2月6日(金)が最終期限

【重要】担当者が知っておくべき「申請時の注意点」

助成金活用において、最も失敗しやすいのが以下のポイントです。

  • 交付決定前に発生した経費は対象外:

    これが最大の注意点です。「交付決定通知」を受け取る前に、業者と契約・発注したり、工事を着工・支払いしてしまった経費は一切助成されません。 必ず「申請→決定」を待ってから発注・着工する必要があります。

  • 原則として、パソコン・タブレット等は対象外:

    パーテーションや専用ブースなどの「設備」は対象になり得ますが、汎用性の高いPC等は原則対象外となります。

  • 申請から受給までに時間がかかる:

    審査と手続きがあるため、一時的に自社で工事費用を全額立て替えるキャッシュフローを想定しておく必要があります。

  • 受付が早期終了する可能性(予算制約):

    国の助成金は年間予算が決まっており、予算上限に達し次第、予告なく前倒しで受付が早期終了する可能性もあります。

② 省エネルギー投資促進に向けた支援補助金

この補助金は、経済産業省の委託を受けた一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が運営する、中小企業が最も利用しやすい省エネ関連制度の一つです。電気料金の高騰や脱炭素化への対応が求められる中、既存の設備を最新の「高効率設備」へ更新する際の費用を国が一部補助することで、企業の初期投資負担を軽減することを目的としています

補助の対象となる主な設備

一般的に、以下の設備が対象として認められています

  • 高効率空調設備(エアコンなど)
  • LED照明
  • 高効率ボイラー
  • コンプレッサー、変圧器、冷凍冷蔵設備

オフィス改修(パーテーション設置)と組み合わせた活用例

この補助金は単なる「壁(パーテーション)」の設置費用そのものを直接補助するものではありません。しかし、オフィスのレイアウト変更と同時に設備更新を行うことで、非常に効果的な活用が可能です。「高効率な空調設備」や「LED照明」を導入する際、一定の省エネ効果が認められれば対象となる可能性があります。パーテーションで空間を適切に仕切ることで、空調効率(冷暖房効率)を高める設計が評価されるケースもあります。

  1. 空調・照明更新とのセット申請 間仕切りレイアウトの変更に合わせて、その空間に最適な「高効率な空調設備」や「LED照明」を導入する場合、一定の省エネ効果が認められれば、それら設備の導入費用が補助対象となります
  2. 設計思想の評価 パーテーションで空間を適切に区切ることは、空調が必要な範囲を限定し、冷暖房効率(空調効率)を高めることにつながります。このような省エネ効果を最大化する設計は、補助金の審査において「エネルギー消費効率の向上」という観点から評価されるポイントになり得ます。

制度の特徴と補助率

  • 補助率:中小企業の場合、対象経費の3分の1から2分の1以内が目安です
  • 手続きの利便性:指定された既製品を導入する形態が多いため、補助金申請の中では手続きが比較的シンプルで、初めての申請でも取り組みやすいのが特徴です

注意点:資金計画について

この補助金は「後払い(精算払い)」が原則です。設備導入の費用は一度自社で全額立て替える必要があり、実績報告が承認された後に補助金が振り込まれます。申請から受け取りまでには1年前後を要する場合があるため、事前に金融機関と資金繰りの相談をしておくことが重要です

③ 地方自治体の「企業立地促進・移転補助金」

各都道府県や市区町村が独自に実施している制度です。 特定のエリアへのオフィス移転や、サテライトオフィスの新設、または空きテナントの改修工事(内装工事・間仕切り工事を含む)に対して補助金が支給される制度が多く存在します。自社の移転先や事業所がある自治体のホームページは必ずチェックしましょう。

参考:出典 埼玉県の企業立地優遇制度

④ものづくり補助金

ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業の生産性向上と持続的な賃上げを目的として、長年にわたり実施されてきた代表的な補助金です。中小企業や小規模事業者等の生産性向上を目的にした設備投資を支援する補助金制度です。

具体的には、革新的な新製品やサービスの開発や、海外需要に対応するための事業に必要な設備投資など、新たな価値の提供を目的にしていることがポイントです。 単なる機械や装置の導入や、既存の工程を効率化するだけでは補助金の対象にならないので注意しましょう。

オフィスリニューアルでは、業務効率化につながる改修や内装工事などが含まれるケースが該当します。

参考:出典|中小企業庁 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の第23次公募要領を公開しました

⑤デジタル化・AI導入補助金

2026年から、従来の「IT導入補助金」が、「デジタル化・AI導入補助金」へと名称が変更されました。補助率や補助額といった基本的な枠組みは2025年度のものを引き継いでいますが、「ITツールの導入」という段階を超え、より踏み込んだデジタル化の推進や、生成AIなどのAI活用を重視する姿勢を明確にするため名称が変更されました。これに伴い、「複数社連携IT導入枠」も「複数者連携デジタル化・AI導入枠」へと名称が変わっています

Web会議環境やテレワーク対応に関するオフィスリニューアルが認められるケースがありますが、内装単体では対象にならないので注意しましょう。2026年度の募集は2026年3月30日から開始される予定です。

参考:出典出典|中小企業庁 デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました

 

 

まとめ|オフィス内装工事のトータルコストを最適化!

 オフィスの空間づくりは、「作って終わり」ではありません。 初期費用だけでなく、将来のレイアウト変更、退去時の原状回復リスク、そして助成金を活用した賢い資金計画まで、総合的に見据えたプランニングが必要です。特に助成金は「事前申請」が必須であるため、早期のアクションが成否を分けます。

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コストを抑えたオフィスリニューアルを行いたい方は、パーテーションラボにご相談ください。パーテーションの導入に関する専門知識を持ったスタッフが、コスト効果の高い内装計画をご提案します。工期、将来の移設・撤去費用、原状回復費用など、オフィスリニューアルに関する総合的なサポートを受けたい企業ご担当者の方は、ぜひご検討ください。

 

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