聞かれたくない会話もパーテーションを活用して堂々と

セキュリティも考えた仕切り

 
オフィスのレイアウトは、仕事に大きな影響を与えます。作業効率にもつながることから、生産性の向上を図る上でも欠かすことができません。
もちろん、そのために様々な要素を組み合わせていかなければいけませんが、広いスペースに対して「パーテーションを活用する」という方法は古くから使われてきました。
 
パーテーションは、仕切りとして目隠しに使われることがほとんどですが、防音という面でも一役を買っています。
 

オフィスの中でのパーテーションの活用には、ゾーニングに基づく理由があります。空間ごとに必要な機能を持たせるためには、パーテーションが重要な意味を持ちます。

 
空間の目的次第では、セキュリティの保護を重視する必要などもあり、そのための方法として視界を遮断したり、遮音したりする選択肢があります。
その他に、実際にパーテーションを設置する際には、エアコンや照明の位置関係もレイアウトを考えるためのひとつの基準として重要です。
 
パーテーションで部屋として区切った場合には、設備を改めて設置しなければいけない場合も出てきます。
特に気にすべき設備としては、火災報知機などの消防機器があります。
床から天井までを塞いだ「部屋」として、パーテーションを設置した場合、必要な消防機器を設置しなければ消防法に抵触してしまいます。
 
自社で所持するスペースであれば、もちろん施工・機器の増設に許可を取る必要はありませんが、賃貸物件の場合には管理会社への確認が必要です。
機器の増設等が無い場合でも、施工型のパーテーション工事は床や天井への穴あけや、作業中の音が同じ建物内の他のテナントまで響く場合もあるので、必ず管理会社へ確認を取りましょう。
 

 

パーテーションを使った防音

 
遮音の機能をパーテーションに求める場合、求める遮音のレベルやその他の優先事項に合わせて、適切な製品を検討する必要があります。
 
例えば、オフィスでもよく活用されてる非施工型(置き型)のローパーテーションの場合には、遮音の効果はほとんどありません。
ローパーテーションは施工を伴わないため、オフィスでの活用が人気の製品ではありますが、視線を遮る効果はあっても、音を遮ることはできません。

 
天井と床を利用して施工するのが、「アルミパーテーション」です。
床から天井までを塞ぐことで、一定の遮音効果を得ることができます。
しかし前章で取り上げたように、アルミパーテーションの施工は「部屋」として床から天井まで塞ぐ以外に、天井まで30cm~50cm程度の一定の高さを開口にすることによって「部屋」ではなく「間仕切り」として消防機器の増設を必要としない施工方法があります。
このように開口を作る場合には、アルミパーテーションといえど、当然仕切られた部屋同士の音はほとんど筒抜けとなってしまいます。
  

「アルミパーテーション」よりも遮音性が高いパーテーションが、同様の施工タイプでも、石膏ボードを使った「スチールパーテーション」です。
こちらも同じように、天井まで塞ぐ・上部を開口にするという二つの施工方法があり、やはり遮音の機能を求める際には、パネルで天井までを塞ぐ必要があります。
 
スチールパーテーションの場合は、パネルの構造上、石膏ボードと石膏ボードの間に空間があり、ここに「グラスウール」を入れることでさらに遮音効果を高めることもできます。

 

しかし、遮音性だけに注目すれば、パーテーションはLGSと呼ばれる、いわゆる一般的な壁には劣ります。
そのため、何よりも遮音性を優先したい場合などにはパーテーションよりもLGSが適してる場合もあります。
 
ただし、LGSの場合、オフィスの移転の際に、解体して新オフィスへ再度導入することが出来ない点や、工程が多くかかってしまうこと・費用など、その他にパーテーションと違う点もいくつかあるため、検討の際にはご注意ください。
 
 
また、スチールパーテーション・LGSもグラスウールを入れることで遮音性を高めることができますが、全ての音を吸収できるわけではありません。
 
音の問題は、文字情報だけでは伝わりづらく、また同じ大きさの音・同じ聞こえ方でも、その音に対してどのように感じるかは個人によって様々です。
導入を検討する際には、ショールームなどで実際の音の聞こえ方などを体験してみることもオススメです。
 
 

吸音して音を逃さない

 
とはいえ、例えば、コールセンターを構築する場合には、ブース一つ一つを天井まで塞ぎ、部屋として隔離するわけにはいきません。膨大な費用がかかるだけではなく、業務の効率としてもマイナスを生み出すからです。
 
最近では、コールセンターなどの音にまつわる相反する難しい状況を少しでも改善するよう、音を吸収するような製品を扱うメーカーもあるので、チェックしてみてください。