日本財団が2020年8月に始動したプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一環で、東京都渋谷区に設置された「透明なトイレ」をご存知ですか。透明なガラスのパネルで作られているため中が丸見えですが、トイレに入って鍵をかけると、瞬時にパネルがくもりガラスに変化し、中が見えなくなります。ニュースやSNSでも大きく取り上げられ話題になったため、目にしたことがある方もいるでしょう。

このトイレのガラスに使用されているのが「瞬間調光フィルム」です。じつはこのガラスは30年前から電車の窓で実用化されていた技術で、オフィスの会議室をはじめ、ワークシーンでも実用化されています。

瞬間調光フィルムは電気を使用して瞬間的にガラスの透明度を変化できる技術で、その機能性から会議室や応接間など、オフィス環境への導入も進んでいます。

本記事では瞬間調光フィルムをオフィスに設置しようと検討されている方に向けて、瞬間調光フィルムの特長や仕組み、オフィス環境に設置する魅力や活用方法、設置する際の注意点などを詳しく説明します。本記事の内容を参考に、瞬間調光フィルムの導入を検討してみてください。

 

1.瞬間調光フィルムとは?

 瞬間調光フィルムは、液晶層に挟まれた特殊なフィルムです。

一般的に瞬間調光フィルムには電気を通すコーティング層が使用されており、スイッチのオン・オフで簡単に透明・不透明さを切り替えることが可能です。

この瞬間調光フィルムを通常のガラスでサンドイッチしたものは「瞬間調光ガラス」と呼ばれ、電車の窓などにも使用されています。近年では瞬間調光フィルムの改良や競合が進み、より手頃な価格で市場に出回るようになりました。それから住宅や商業ビルなどさまざまな建物に使用され始め、需要が拡大しています。

 

2.瞬間調光フィルムで瞬時にプライバシーを確保!

 内装工事を検討している方にとって、オフィスや店舗などの窓ガラスやパーテーションなどのプライバシー管理は、重要な課題の一つです。瞬間調光フィルムは、通常の透明なガラスを目隠しガラスに変えることができる画期的な製品です。

オフィスや店舗、住宅など、様々なシーンで利用することができるうえに、プライバシーの他、UVカットなど、様々な機能を持ち合わせています。

瞬間調光フィルムは、近年の技術進歩によって開発された比較的新しい内装製品です。初めて発売されたのは、2000年代前半のことです。当初は高価であり、専門的な用途に限られていましたが、現在では製品の改良や競争力の向上により、より手頃な価格で広く市場に出回っています。最近では、住宅や商業ビルなどの様々な建物に採用され、需要が増加しています。

瞬間調光フィルムの特徴やメリット、さらにはデメリットについて解説していきます。

 

3.瞬間調光フィルムの特長

 ここでは、多くの魅力的なポイントがある瞬間調光フィルムの、主な特長を3つ見ていきましょう。

電気で透明度をコントロールできる

瞬間調光フィルムの特長の一つは、電気でガラスの透明度をコントロールできる点です。

電源をオフにするときに不透明、オンのときに透明になるものと、電源をオフするときに透明、オンにするときに不透明となるものの2つのパターンがあります。

セキュリティ対策を重視して基本的に不透明にしておきたい方には前者がおすすめです。

逆に、普段から透明ガラスの状態で使用したい環境であれば、電源がオフのときに透明になる後者を選ぶと、電気代を抑えられるので良いでしょう。

高速で透明・不透明を入れ替えられる

高速でガラスを透明・不透明に入れ替えられるのも、瞬間調光フィルムの特長の一つです。

瞬間調光フィルムは、スイッチを押すとおよそ0.1秒以下の速さでガラスの透明度を入れ替えられるため、タイムラグを感じにくいです。そのためオフィスや事務所などで急な来客や会議が発生した際も、瞬間調光フィルムの透明度をスイッチ一つで簡単に変えられます。

このように、状況に応じて適切な空間を素早く作れるのは、瞬間調光フィルムの良さの一つでしょう。

UVカットの機能を持つものも

室内に入ってくる過度な紫外線をカットできる機能を持つ瞬間調光フィルムがあるのも、特徴の一つです。

オフィスや事務所の窓を通じて部屋に入ってくる紫外線は、過度に浴び過ぎると人体にさまざまな悪影響を及ぼします。例えば過度な紫外線を浴び過ぎると、悪性黒色種(メラノーマ)や皮膚の老化の促進、白内障などを引き起こす可能性が高まります。

また一年を通じて紫外線が過度に入ってくる環境下では、カーテンや畳、フローリング、家具などが退色したり傷んだりしやすいでしょう。そのためせっかくこだわりを持って仕上げたオフィスや事務所の内装が変化しやすく、メンテナンスの頻度が高くなり、結果として維持コストがかかってしまいます。

このような影響を防ぐためには、窓にUVカット機能のある瞬間調光フィルムを設置するのがおすすめです。日差しの強い日は瞬間調光フィルムを不透明に切り替えると、窓際の席でもコンピューターの画面が見やすくなったり、眩しさによる目の疲れを軽減したりできるでしょう。また瞬間調光フィルムが不透明な状態であれば、紫外線を効果的に遮り、室内の温度上昇を防いで快適なオフィス環境を作ることにも役立ちます。

 

スマートにプライバシー管理が可能 瞬間調光フィルムは、電気を使って透明度を制御することができます。スイッチのオン・オフを切り替えることで、簡単に透明から不透明へと切り替えることができます。これにより、人の目をシャットアウトすることができ、スマートで効果的なプライバシー管理が可能になります。

高速で切り替えられる 瞬間調光フィルムは、0.1秒以下の短い時間で透明から不透明に切り替えることができます。このスピード感は、瞬時にプライバシーを確保したい場合には非常に有用です。また、切り替えの際にほとんどタイムラグを感じることがないため、快適な空間を手軽に実現できます。

多様な用途に対応 瞬間調光フィルムは、窓ガラスやパーテーションだけでなく、ガラス扉やショーケースなど、様々な用途に対応しています。また、電気で透明度を制御するため、照明を利用した演出にも活用できます。

 

3.瞬間調光フィルムの仕組み

 瞬間調光フィルムが瞬時に透明・不透明に切り替わる原理や構造はどのようなものなのでしょうか。

瞬間調光フィルムには、液晶層の両面が「ITOレイヤー」と呼ばれる通電するコーティング層で挟まれており、その厚さはわずか0.1〜0.2ミリメートルです。

瞬間調光フィルムに電圧がかかっていない状態では、液晶と高分子が異なる方向を向いており、光が散乱した状態になっているので、不透明の白濁色になります。しかし電圧がかかると液晶内の分子が整列し、液晶と高分子の屈折率が一致するため、透明の状態になる仕組みです。

 

4.瞬間調光フィルムの魅力

 ここまで瞬間調光フィルムの特長や仕組みを見てきましたが、オフィスや事務所などに瞬間調光フィルムを設置すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは瞬間調光フィルムの魅力を5つ紹介します。

プライバシー管理が可能

瞬間調光フィルムを空間に設置する魅力の一つは、プライバシー管理が可能になることです。

オフィスなどに瞬間調光フィルムを設置すると、ガラスの可視性を瞬時に切り替えられるので、容易にプライバシー管理を行えます。

例えばオフィスの会議室や病院の診察室、Web商談向けのスペースなどに瞬間調光フィルムを設置すると、必要に応じてガラスを不透明に切り替えられ、外からの視線を遮ります。そのためプライバシーや機密情報・個人情報などの管理がしやすく、診察や会議などに集中しやすい環境になるでしょう。

快適な室内環境を保てる

瞬間調光フィルムには遮光機能もあるため、設置すると快適な室内環境を保ちやすくなるのも魅力の一つです。

例えば、立地条件上一日を通じて直射日光が当たりやすい部屋では、暑い夏に窓から入ってくる日射熱で、部屋の温度が上昇しやすくなります。特に窓際などは室内よりも8〜12度程度温度が高くなるケースもあるでしょう。

一方で冬は室内の暖気が窓を通じて外に逃げやすくなるなど、通常のガラス窓では一年を通じて窓から熱が入り過ぎたり逃げ過ぎたりするので、冷暖房費がかさむ原因にもつながります。

そのような窓に瞬間調光フィルムを設置すると、夏に強い日差しや光を遮って部屋の温度上昇を抑えたり、冬に窓から逃げる熱の量を少なくして、部屋の保温性を上げたりする効果が期待できます。その結果、オフィスや事務所の冷暖房費の節約につながるでしょう。

部屋の雰囲気がおしゃれになる

瞬間調光フィルムを設置すると、室内の雰囲気がおしゃれになるのも魅力の一つです。

簡単にボタン一つでガラスの透明度を変えられる調光フィルムを設置すると、オフィス空間がスマートでおしゃれな空間へと変化します。

特にこれまでカーテンやブラインドを使用して、外からの視線を遮りながら作業していたオフィスや事務所に瞬間調光フィルムを設置すると、未来的で機能性の高い、おしゃれな環境へと変化させられます。その結果スタッフの職場環境の満足度向上につながり、会社全体の生産性の向上も期待できるでしょう。

自由な形に加工できる

デザイン性を重視して自由な形に加工できるのも、瞬間調光フィルムの魅力の一つです。

瞬間調光フィルムはカットしてもエッジが割れにくく、粘着力も高い特長があるため、必要なシーンに合わせてシートをカットしたり穴を開けたりなどの加工がしやすいです。部分的にガラスにフィルムを貼り付けたり、ドアの取っ手部分に穴を開けて貼り付けたりできます。

また専門業者に依頼を行うと、会社のロゴや企業理念などのメッセージを入れた、デザイン性の高い瞬間調光フィルムを作ることも可能です。このような特注のフィルムを会社の受付や店舗のエントランスなど外部の人の目に触れやすい位置に設置すると、企業イメージを高めたり、ブランドイメージをアピールしたりできます。

空間の用途を都度変更できる

設置する空間の用途を都度変更できるのも、瞬間調光フィルムの魅力です。

瞬間調光フィルムは、壁やカーテンよりも空間の用途やシーンに合わせて変更できる柔軟さがあります。

例えばオフィスや事務所の会議室の壁に瞬間調光フィルムを設置すると、開放的にコミュニケーションを取りたい会議の場合は透明に、面接や人事会議などプライバシーを守る必要がある際は不透明にするなど、同じ部屋で用途に合わせた会議を行えます。

また普段は透明にしておくと圧迫感がなくオフィス空間を広く見せられるため、前述したおしゃれなデザイン性とプライバシーの保護を両立できるのも良いでしょう。

 

5.瞬間調光フィルムの注意点

 

ここまで瞬間調光フィルムの特長や魅力を紹介しましたが、実際にオフィスに設置する際にはどのようなポイントに注意する必要があるのでしょうか。ここでは瞬間調光フィルムを設置する際の注意点を3つ紹介します。

初期費用・維持費用がかかる

カーテンやブラインドなど比較的簡単に設置できるものと違い、瞬間調光フィルムは初期費用が高いことに注意しておきましょう。

瞬間調光フィルムを設置したい窓の面積に比例してフィルムが大きくなると、初期費用が変動します。瞬間調光フィルムの設置に予算の上限がある場合は、事前に専門業者に問い合わせを行い、予算に見合った設置計画を立てるようにしましょう。

また瞬間調光フィルムのオン・オフには電気を使用するため、電源をオンにして使用する時間が長いと、電気代がかさむことにも注意が必要です。

実際に瞬間調光フィルムを設置する面積の大きさやオン・オフの頻度で維持費用が変わってくるため、こちらも事前にどれくらいの維持費用がかかるか専門の業者に相談しておきましょう。

故障やシステムトラブル発生の恐れがある

瞬間調光フィルムは電気を使用するため、故障やシステムの不具合などが発生する可能性があることにも注意が必要です。

瞬間調光フィルムに故障やシステムトラブルが起きた場合、専門業者への問い合わせが必要になります。故障中はガラス面の透明度がコントロールできなくなるので、設置型のパーテーションやカーテンを使用するなど、緊急時の対応ができるように日頃から準備しておくことも大切です。

専門業者への設置依頼が必要

 瞬間調光フィルムは、専門業者への設置依頼が必要なことにも注意しておきましょう。

瞬間調光フィルムを設置する窓の面積にかかわらず、専門知識を持たない方による設置はおすすめしません。瞬間調光フィルムの機能を正しく発揮させ、トラブルを未然に防ぐためにも、専門業者へ設置の依頼を行いましょう。

その際は、瞬間調光フィルムの設置費用が別途かかります。工事の納期の確認やスケジュール調整などが必要になるケースもあるため、設置までの納期が決まっている場合は、時間に余裕を持って見積もりを依頼するようにするのがおすすめです。

 

6.瞬間調光フィルムの活用方法

 プライバシー管理や快適な空間を演出するなど、瞬間調光フィルムを活用するとオフィスや事務所、店舗、自宅などさまざまな場所をより良い環境に変えていくことができます。ここでは瞬間調光フィルムの具体的な活用方法を6つ紹介します。

役員室のガラスパーテーション

オフィスや事務所の中でも特にプライバシーの管理が必要な、社長室や重役室の窓やパーテーションに、瞬間調光フィルムを活用してみましょう。

社長室は企業の運営に関わる意思決定を行う場所なので、機密性の高い書類を扱ったり重要な来訪者を迎えたりする役割があります。そのため状況に応じて、柔軟にプライバシーの管理ができる瞬間調光フィルムを設置すると良いでしょう。

プライバシーの管理の面から社長室をパーテーションや壁で完全に囲ってしまうケースもありますが、中が見えないため閉鎖的になり、近寄りがたい印象になりかねません。しかし瞬間調光フィルムを設置すれば、重要な打ち合わせや来客がないときは、透明なガラスで可視性をキープできます。その結果社内の見える化の促進や、社員同士のコミュニケーションの活性化にもつながる可能性が高まります。

会議室や応接室のガラスパーテーション

オフィスの中で社長室と並んでプライバシーの管理が必要な会議室や応接室にも、瞬間調光フィルムを活用しましょう。

会議室や応接室では、日々重要な会議や人事面談、来客の対応などプライバシーの管理が必要な会議が行われています。そのため会議室や応接間を仕切っている窓やパーテーションに瞬間調光フィルムを設置すれば、急な会議や来客との打ち合わせが発生した際に、ガラスを不透明に切り替えてプライバシーを管理できます。

瞬間調光フィルムをオフィスの受付付近など外部の方の目に触れやすい位置にパーテーションとして設置すると、来客がないときは透明なガラスで可視性や開放感をアピールできるのも印象が良いためおすすめです。

また瞬間調光フィルムを、後述する映像投影に活用できるなどのメリットもあるので、会議室や応接間の壁など映像を投影し、活用しやすい設置場所を検討するのも良いでしょう。

映像投影

瞬間調光フィルムの半透明な状態を生かして、映像の投影に活用するのもおすすめの活用方法です。

不透明な状態の瞬間調光フィルムにプレゼンテーションやスライドなどの映像を投影すると、光がきれいに反射してスクリーンとなります。そのためオフィスの会議室で会議資料を投影するだけではなく、店舗のショーウィンドーでプロジェクションマッピングの投影をすることも可能です。またショールームなどの商業施設、スポーツ観戦イベントや映画上映など、さまざまな用途に活用できるでしょう。

瞬間調光フィルムへの投影は、プロジェクターの設置スペースを必要としないため、狭いオフィスや店舗などの空間で使用できるのも大きな魅力です。

また瞬間調光フィルムは不透明の状態で映像を投影するため、外部の光の影響を受けにくいです。一般のスクリーンよりも高いコントラスト比の映像が投影できるため、映像が見やすくなるメリットもあります。

事務所や店舗、ホテル

瞬間調光フィルムはオフィスや事務所以外も、店舗、ホテルなどの集客/来店シーンにも活用できます。

例えば店舗に瞬間調光フィルムを設置すると、日中は中の様子を透明なガラスで開放的にアピールし、閉店時には不透明にして防犯性を高められます。店舗のセキュリティ対策として窓ガラスに調光フィルムを貼り付けることで、ガラスを割りにくくして不審者の侵入を防止する効果も期待できるでしょう。

また、道路に面した窓があるロケーションの店舗に瞬間調光フィルムを設置すれば、夜間に窓を広告スクリーンとしての使用も可能です。瞬間調光フィルムの背面から映像を投影するだけで、効果的な広告手段として活用できます。

他にも瞬間調光フィルムはスイッチ一つでガラスの透明度を変えることができ、スマートな空間を演出できるため、ショールームにも広く活用されています。防水性に優れているタイプの瞬間調光フィルムもあるため、ホテルなどのお風呂やシャワーブースで中に人が入っているときにのみ不透明にするなど、プライバシー保護と部屋の開放感の両方を保つことも可能です。

自宅での活用

自宅をおしゃれで開放的な空間にしたい方は瞬間調光フィルムをバスルームや窓などに活用するのもおすすめです。

例えば、来客時に目隠しをしたい部分に瞬間調光フィルムを設置すれば、急な来客でも部屋の中を慌てて片付けることなく対応ができるでしょう。来客時以外はガラスを透明にしておくことで、家族と過ごす空間に開放感が生まれたり小さい子どもやペットがどこで何をしているか目が届きやすくなったりするなどのメリットもあります。

また瞬間調光フィルムは既存のガラスへの施工も可能なため、カーテンやブラインドを設置する代わりに、バスルームのガラス面や窓に設置することもできます。リフォームやリノベーションをする際や、子育てや介護など家族の変化に合わせ、家の必要な部分に導入を検討してみましょう。

自動車での活用

瞬間調光フィルムは、自動車の窓へ後付けで設置することも可能です。

自家用車へ瞬間調光フィルムの設置を検討されている方は、後部座席の窓やサンルーフなどに設置すると良いでしょう。瞬間調光フィルムを設置してガラス面を不透明に保つことで、外からの目線などプライバシーに配慮したり、過度な紫外線の侵入を防いで社内の冷房効率を上げたりする効果が期待できるでしょう。

瞬間調光フィルムは、救急車の窓や救急車内で運転席と利用者のエリアを仕切っているカーテンの代わりに使用されている実績もあります。

救急車内で瞬間調光フィルムを使用するメリットには、状況に応じたプライバシー保護の観点だけではなく、瞬間調光フィルムの表面についた汚れやゴミを薬剤やオゾンを使用して簡単に清掃・消毒できることが挙げられます。またブラインドやカーテンと異なり、車内のスペースを圧迫せず有効に活用できることもメリットの一つです。

 

7.瞬間調光フィルムの種類

 瞬間調光フィルムにはいくつかの種類があります。ここでは、ノーマルタイプとリバースタイプの2つの特徴や違いなどを詳しく見ていきましょう。

ノーマルタイプ

一般的に、瞬間調光フィルムのノーマルタイプはPolymer Dispersed Liquid Crystalの頭文字を取って「PDLCフィルム」とも呼ばれています。

ノーマルタイプは、電源がオンのときは透明、オフのときは不透明になるフィルムで、さまざまな目的に応じて使用されるスタンダードなタイプです。

医療現場や工場見学の経路など、普段はプライバシーやセキュリティの観点から不透明で使用し、必要に応じて透明に切り替える現場に向いているでしょう。

リバースタイプ

一方でリバースタイプはPolymer Network Liquid Crystalの頭文字を取って「PNLCフィルム」とも呼ばれています。

リバースタイプはノーマルタイプと逆で、電源がオンのときに不透明になり、電源がオフのときに透明になるのが大きな違いです。

透明時に電気を必要としないリバースタイプは、店舗や事務所の窓など、透明な状態で使用する頻度が高い環境に適しています。また安全上の観点からも、停電で瞬間調光フィルムの機能が一時的に使えなくなった際、内側に人がいるかなどの確認が必要になる場所に設置しておくと良いでしょう。

しかしリバースタイプの瞬間調光フィルムはノーマルタイプの2〜3倍の価格になることもあるため、事前に見積もりを行って予算との兼ね合いを調整するようにしましょう。

 

8.瞬間調光フィルムの例

調光フィルムKasmy

瞬間調光フィルムの一つにKasmy(カスミィ)があります。

Kasmyはスイッチのオン・オフで瞬時に透明度を切り替えられる瞬間調光フィルムで、オンのときは透明、オフのときは不透明になるノーマルタイプです。

後貼りが可能な自己吸着フィルムでできているKasmyは、既存のガラスや間仕切り、窓にも追加で設置できます。また、電源オフ時にホワイトとグレーの2種類から好みの色を選べるため、オフィスの雰囲気や設置する目的に沿った色を選べるのも特長です。

プライバシーの保護からプロジェクターの映像投影、開放感のある空間の演出など、マルチに活用できる調光フィルムの一つです。

(引用:株式会社ビーキャット

 

9.瞬間調光フィルムの選び方

 瞬間調光フィルムを選ぶ際は、瞬間調光フィルムを設置したい面のサイズやスイッチのオン・オフのスピード、フィルムの透明度、価格、フィルムの性能などの数値を総合的に判断して選ぶようにしましょう。

瞬間調光フィルムを製造または取り扱って販売している事業所に相談すれば、設置したい場所に適したフィルムのタイプを相談でき、見積もりから設置工事まで一貫して手配してくれるケースが一般的です。

瞬間調光フィルムの施工には専門的な知識も必要なため、施工箇所に適した瞬間調光フィルムがどれか分からない方や、不明な点がある方は内装関係の専門業者に相談するのがおすすめです。

10.瞬間調光フィルムの利用シーンや事例

 瞬間調光フィルムは、様々な場面で利用されることができます。

 

 

  1. 会議室や応接スペースのプライバシー保護 瞬間調光フィルムは、会議室や応接スペースのガラス窓に貼ることで、プライバシー保護に役立ちます。例えば、外からの視線を遮ることができるため、会議中に機密情報を共有する場合や、プライベートな話し合いをする場合に適しています。

  2. 事務所や店舗のセキュリティ対策 瞬間調光フィルムは、窓ガラスに貼ることで、セキュリティ対策にも役立ちます。フィルムを貼ることで、外からの視線を遮るだけでなく、窓ガラスを割って侵入されることを防止することができます。

  3. プロジェクションマッピングとして 瞬間調光フィルムは、フィルムを貼ったガラスに背面からプロジェクターで映像を投影することができます。そのため、店舗のショーウィンドウや屋外看板に利用されることがあり、効果的な広告手段としても注目されています。

  4. ミーティングルームにおけるプレゼン用プロジェクター 瞬間調光フィルムを会議室のガラス窓に貼ることで、プレゼンテーションに最適な環境を作ることができます。フィルムを透明な状態にすることで、外からの光を取り込み、室内を明るく照らすことができます。また、スクリーンの代わりになり、背面からプロジェクターで映像を投影することもできます。

 

11.まとめ

 本記事では瞬間調光フィルムをオフィスに設置しようと検討されている方に向けて、瞬間調光フィルムの特長や仕組み、オフィス環境に設置する魅力や活用方法、注意点などを詳しく説明しました。

瞬間調光フィルムを設置してオフィスや店舗などをより快適な空間にしたいと考えている方は、知識が豊富な専門業者に相談して導入を検討するようにしましょう。

パーテーションラボでは空間を効果的に間仕切りできるパーテーションの施工と併せて、お客さまのニーズに沿った調光フィルムの選定や施工方法をご提案します。瞬間調光フィルムのコスト面やメリットなど、不安な点があればどのような内容でもご相談ください。

例えばガラスパーテーションに瞬間調光フィルムを組み合わせると、オフィスでのプライバシーを保護しながら、エレガントな雰囲気をもたらせます。会議や商談中に外部からの視線を遮りたいときはガラスパーテーションに設置された瞬間調光フィルムを不透明へ切り替え、そうでないときは透明なパーテーションが持つ開放感を楽しみましょう。

パーテーションラボにご相談いただければ、オフィスのニーズに合わせた瞬間調光フィルムの選定や、効果的な導入方法のアドバイスなどをご提案します。瞬間調光フィルムに興味がある方はどのようなことでもぜひお問い合わせください。

 

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