プロが解説|オフィスの内装をおしゃれにするメリット

1.近年のオフィスの内装デザインの傾向
2.オフィスの内装をオシャレにする3つのメリット
3.意外とありがちなオフィスの内装デザインの失敗例
4.コストを抑えてオシャレなオフィス内装を実現するためには？

　オフィスデザインの主な目的としては、従業員が働きやすい環境を作り出すことと、顧客や取引先に対して企業の魅力や理念を伝えることです。

オフィスの内装をオシャレにすると、従業員の生産性やモチベーションが向上し、将来的なリクルーティング効果が高まります。また、デザインによっては企業のブランド力向上にもつながるので、従業員・企業の双方にとってさまざまなメリットがあるといえるでしょう。

今回は、「オフィスの内装をオシャレにする3つのメリット」というテーマで解説いたします。

1.近年のオフィスの内装デザインの傾向

　多くの企業が、オフィスの内装デザインに注力する傾向にあります。

その理由は、デザイン性と機能性を兼ね備えたオフィスが従業員のモチベーションや仕事の質、そして会社全体の雰囲気に大きな影響を与えるからです。

以前のオフィスはシステマチックなデザインが主流で、壁にシステム天井を備え、オフィス家具を整然と配置していました。しかし今日では、「ワクワクするデザイン」を求める企業が増え、魅力的な空間を求める声が高まっています。

コロナ禍で在宅勤務を取り入れていた企業も、現在では週5日の出社に戻したり、出社と在宅勤務を半々にする動きが見られます。働き方を変革するタイミングにおいて企業にとって重要なのは、「出社したくなるオフィス」という快適性や安全性と、「オフィスワークスタッフとリモートワークスタッフがシームレスにコミュニケーションがとれるようなオフィス」という機能性と生産性に優れた空間の構築です。

以前からあるフリーアドレス制や、カフェやホテルのようなリラックスできる「休憩スペース」もより多目的な運用や従業員の働き方に合わせた環境提供が大切になります。そのような、ワークスペースは従業員のモチベーション向上につながり、退職率の低下という経営課題にも貢献することが期待できます。

アフターコロナのオフィスデザインのトレンドは、従業員の創造性や協働が促進する空間が注目されます。つまり「集まりやすいスペース」や「集まるスペース」作りが注目されています。

個が集中できる空間と、チームがコミュニケーションをとる空間との柔軟性を持つエリアが設置され、WEB会議も含めて、手段や目的に応じた働きやすいオフィス環境が強化されています。

DXが加速され、コミュニケーションの手段は、バーチャルやハイブリッド環境にも対応します。これにより、従業員はオフィスに戻ることで新たな情報や発想を得つつ、企業のビジョンを共有することを期待されています。

2.オフィスの内装をオシャレにする3つのメリット

　オシャレなオフィスは、単なる装飾的な意味合いでなく、従業員や企業にとってさまざまなメリットがあります。

従業員や顧客に対するポジティブな印象を作り出し、企業のブランドや生産性、そして将来的な成長に寄与します。

以下では、オフィスの内装をオシャレにする3つのメリットについて解説します。

①従業員の生産性向上・モチベーションアップにつながる

　一つ目に、働く人に着目し設計されたオフィス内装は、従業員の生産性を高めることに繋がります。交流を促進するワーキングスペースを作ったり、自分の作業に集中できるブースを用意するなど、従業員の働き方に合わせた環境を用意することで、従業員の刺激となり創造性や集中力を引き出す助けとなります。

また、快適でデザイン性の高いオフィスは、従業員のモチベーションを高め、仕事に対する意欲を促進します。明るく開放的な空間はアイディアの共有やコミュニケーションを促進し、チームワークの強化に繋がります。

従業員の生産性やモチベーションを高めたいと考えている場合は、執務スペースの環境改善を検討してみてはいかがでしょうか。

②ブランド力向上につながる

　二つ目に、オフィスの内装は企業のブランドイメージに重要な役割を果たします。

オシャレなデザインは、企業の価値観やアイデンティティを視覚的に表現し、外部からの評価を高めます。例えば、ブランドイメージにあったオシャレなエントランスは、企業の「顔」となります。訪れた従業員や顧客は、魅力的な環境を見て企業に対する印象を良くすることで、ブランドの価値を高める手助けをします。また、オシャレなオフィスは話題性が生まるため、メディアやSNS、口コミなどで広がりブランドイメージの強化に貢献することも多いでしょう。

ブランド力を強化したいと考えている場合は、エントランスや外部打ち合わせスペースの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

③将来的な働き手を増やすことにつながる

　三つ目に、オシャレなオフィスは企業にとって魅力的な求人広告となります。

人々は働く場所の環境にも注目し、魅力的なオフィス空間は優秀な人材を引き付けるひとつの要因となります。例えば、外資系の大手企業では、職場環境にジムや食堂、娯楽スペースなどを併設し、従業員が楽しく過ごせるオフィス環境を設計しています。

このように、従業員の働く環境に投資する姿勢は、企業の価値を高めるだけでなく、将来的な人材採用にも寄与します。オフィス見学をして「この会社で働きたい！」と思ってもらうことができれば、将来的な働き手を増やすことができます。

リクルーティングの目的も含めオフィス改装を検討している場合は、従業員にとってワクワクする仕掛けを考えてみることをオススメします。

3.意外とありがちなオフィスの内装デザインの失敗例

　オフィスの内装デザインは、企業文化や従業員の生産性に大きな影響を与えますが、時には意外な失敗もあります。

ここでは、よく見られるオフィス内装デザインの失敗例をいくつか取り上げます。

①従業員の意見を聞かないでデザインを決める

　多くの企業が陥りがちな失敗の一つ目として、従業員の意見を聞かずにデザインを決めることが挙げられます。

デザインチームや経営陣が独自のアイデアを追求するのは良いことですが、実際にそのオフィスで働く従業員の声を無視すると、使い勝手や快適さに欠けるデザインになる可能性があります。従業員は日々その環境で働くため、彼らの視点やニーズを取り入れないデザインは、モチベーションや満足度を低下させることがあります。

特に執務スペースのレイアウトは従業員の声に耳を傾け、設計する必要があります。働くスペースの使い方（フリーアドレス制or固定席）や、働くスペースの雰囲気（オープンorクローズ）は従業員にアンケートをとり、決定することをオススメします。

②リラックスできるスペースが少ない

　次に挙げるのは、リラックスできるスペースが少ないことです。

仕事の合間や休憩時間に、リフレッシュできる場所は非常に重要です。しかし、多くのオフィスではこの点が軽視されがちです。リラックスできるコーナーや休憩スペースが不足していると、従業員のストレスが溜まりやすく、クリエイティブな思考や集中力が低下する恐れがあります。

リラックススペースがあることによって、他部署との交流が広がり、社内の交流が活発になることも多々あります。単なる休憩スペースと捉えずに、従業員が心からリラックスできるような充実した環境を整えるようにしましょう。

③受付を軽視している

　最後に、受付を軽視しているという失敗例があります。

受付は来客や従業員にとって企業の顔とも言える場所ですが、時にこれを重視せずにデザインされることがあります。受付スペースが狭く、無個性なデザインや十分なサポートがない場合、来訪者は企業に対する印象が低くなる可能性があります。また、受付が効果的に機能していないと、業務効率や来客対応に支障をきたすこともあります。

デザイン性と機能性の両方が求められるからこそ、デザイン性ばかり追い求めず、従業員の使い勝手なども考慮して設計することが大切です。

これらの失敗例は、オフィス内装デザインにおける重要な要素を見落とすことによって生じます。従業員の視点やニーズを考慮しない、リラックスや受付を重視しないデザインは、仕事の効率や満足度に悪影響を及ぼす可能性があります。

より良いオフィス環境を作るためには、従業員や利用者の声に耳を傾け、機能性と快適さを両立させたデザインを心がけることが大切です。

4.コストを抑えてオシャレなオフィス内装を実現するためには？

　オフィスの内装工事は、施工面積や設計内容によって金額が大きく変わります。

中には「まずは手軽に雰囲気を変えたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。そんな方にオススメなのが、施工型パーテーションを使ったオフィス設計です。

パーテーションと聞くと、多くの方は机と机の間を間仕切る「簡易的な壁」というイメージをお持ちかもしれません。実は、施工型パーテーションの使い方はさまざまで、中間壁のような使い方だけでなく、執務室、会議室や応接室、エントランスやセミナールーム、休憩室や更衣室といった多様な空間が実現可能です。利用目的やご要望に合わせてレイアウトできるので、企業の移転や改装、企業規模の拡縮を予定している企業にも高い人気があります。