美容室やサロンの新規開店を検討される際、多くのオーナーが期待感と悩みを併せ持つ「内装工事」。

オーナーのこだわりが詰まった理美容サロンをオープンさせることは、多くの美容師やスタイリストにとっても大きな夢の実現です。完璧なレイアウトや洗練されたインテリアを思い描き、物件探しや資金調達に奔走されていることでしょう。

しかし、理想のデザインを形にしようとすると、必ずといっていいほど「建築基準法」「消防法」という障壁、いわゆる法的な「内装制限」が立ちはだかります。「完全個室にしたいが、消防設備の増設費用で予算が足りない」「管理会社から内装制限について厳しい指摘を受けた」といった悩みは、開業現場ではよくあります

「内装規制」は、美容室やサロンなどのように、不特定多数のお客様が訪れる場所には、安全面から厳しいルールが設けられています。知らずに工事を進めてしまうと、オープン直前の検査で不合格となり、高額なやり直し費用が発生したり、開業日が遅れてしまったりするリスクがあります

本コラムでは、理美容サロンを開業検討しているオーナー様に向けて、店舗づくりで絶対に知っておくべき「内装制限」の基礎知識と、定借契約のテナント入居時に圧倒的なメリットをもたらす「施工型パーテーション」の活用法について解説します。

1. 美容室・サロン開業で知っておくべき「内装制限」の基礎知識

 サロンの内装工事を進める際、「内装制限」という言葉を必ず耳にすることになります。

内装制限とは、万が一店舗で火災が発生した際に、一気に火が燃え広がってお客様やスタッフの命を危険にさらすことを防ぐための「火災が発生したときのためのルール」です この内装制限には「建築基準法」「消防法」という2つの異なる法律が関わっています

建築基準法における内装制限

素材の等級

 制限がかかると、壁や天井に不燃材料(NM)準不燃材料(QM)、難燃材料(RM)といった、国土交通大臣の認定を受けた燃えにくい素材を使用しなければなりません

<内装材料の分類と特徴>

材料区分(認定番号)

加熱に対する耐性(非燃焼時間)

特徴と主な目的

不燃材料(NM-〇〇〇〇)

加熱しても燃えない、または燃えにくい素

建物の安全性を最も高められる材料です。最も厳しい基準をクリアしています

準不燃材料(QM-〇〇〇〇)

加熱後10分間は燃えない素材

火災の拡大を遅らせ、避難のための安全な時間を稼ぐことを目的としています

難燃材料(RM-〇〇〇〇)

加熱後5分間は燃えない素材

不燃・準不燃に比べると制限は緩やかですが、ある程度の耐火性が必要な場所に使用されます

 *国土交通大臣の認定マーク

これらの材料には、ラベルやカタログに必ず「国土交通大臣の認定マーク」が表示されています。材料を選ぶ際は、単に「燃えにくい」という言葉だけでなく、(NM/QM/RM)から始まる認定番号が付いているかを必ず確認する必要があります

 *「仕上げ材」だけでなく「下地材」も対象

内装制限は、壁紙(クロス)や木材などの目に見える「仕上げ材」だけでなく、その裏側にある「下地材」にも適用されます。施工業者には、物件が内装制限の対象であることを事前に伝え、下地の段階から適合する素材を使用してもらうことが、後の消防検査でのトラブルを防ぐ鍵となります

 *「消防法の防炎」との違いに注意

建築基準法に基づく「不燃・準不燃・難燃」と、消防法に基づく「防炎」は全く別の基準です

  • 不燃・準不燃・難燃(建築基準法): 壁や天井の「建材」が対象

  • 防炎(消防法): カーテン、布製ブラインド、じゅうたんなどの「布製品」が対象

構造による厳格化

地下店舗や窓のない「無窓居室」の場合、避難が困難と判断されるため、通常よりもさらに高いレベルの不燃性能や排煙設備の設置が義務付けられます特に、地下にある店舗や窓がない閉鎖空間(無窓階)は煙がこもりやすく避難が難しいため、通常よりも厳しい基準が適用されます
また、カーテンや布製のブラインド、床面積が2平方メートルを超えるカーペットを使用する場合は、消防法により防炎ラベル付きの防炎物品を使用することが義務付けられています
これらの制限において、違法が判明した場合、是正指導や最悪の場合は営業停止になることもあり、施工主であるテナント(オーナー様)が責任を問われます

消防法における内装制限

消防法は、「火災リスクの軽減や消火活動」を目的としています。天井まで完全に固定されたパーテーションを設置すると、それは単なる「仕切り」ではなく、法律上の「壁」と見なされます 「壁」によって区切られた空間は「新しい個室(一室)」として扱われるため、以下の設備増設という「連鎖反応」が発生します
感知器(煙・熱)の増設: 各個室に専用の火災報知器が必要です
スプリンクラーヘッドの増設・移設: 既存のヘッドの散水が「壁」に遮られる場合、各個室への追加設置が義務付けられます
非常用スピーカー・誘導灯の設置: 避難放送が聞こえ、避難口が明確に見える必要があります
これらの付帯工事には有資格者による配線・配管工事が必要となり、数百万円単位の追加費用が発生することも珍しくありません

2.なぜ完全個室はコストが跳ね上がるのか?

 美容室・サロンの内装デザインにおいて、シャンプースペースの目隠しや、VIP用の個室、エステ併設の施術スペースなどを作るために個室を設置するケースは非常に多く見られます。

注意すべきなのは、床から天井まで4方を完全に塞いで固定された個室です。消防法上、これは単なる移動可能な仕切りではなく、恒久的な「壁」として認定されます 空間が天井まで壁で仕切られると、法律上そこに「新しい個室」が誕生したとみなされます 。すると、既存の消防設備だけでは不十分となり、以下のような追加工事が連鎖的に必要になるのです

  • 煙・熱感知器の増設:新しい個室専用の火災感知器が必要になります(新しい壁から60cm以上離すなどの規定あり)

  • スプリンクラーヘッドの移設・増設:パーテーションが散水を妨げたり、個室が遠かったりする場合に追加が義務付けられます

  • 非常用スピーカーの設置:火災時の避難放送が個室内でも明瞭に聞こえる必要があります

  • 排煙設備の確保:火災時の煙を排出する排煙口が規定の距離内に必要です

「欄間(らんま)オープン」で内装制限のクリアかつコストの削減

こうした規制とコストの問題を一気に解決するのが、パーテーションでの「欄間開口(らんまかいこう)」です。これは、パネルの上部(天井に近い部分)をあえて塞がず、開口部を設ける手法です。天井付近がつながっていることで、消防法上「独立した個室」ではなく、「大きな一室の中に仕切りがある状態」とみなされる可能性が高くなります。これにより、既存の消防設備が有効範囲内であれば、増設工事を回避できるのです。消防設備の増設を不要にするためには以下の数値が目安となります
 ★欄間を45cm以上開ける: 熱感知器の増設が不要になる場合があります
 ★ 欄間を60cm以上開ける: スプリンクラーヘッドの増設が不要になる場合があります
これらの数値を設計段階で組み込むだけで、デザイン性を維持しつつ、莫大な付帯工事費をカットすることが可能になります。欄間開口のメリットはコスト面だけではありません。上部が開いているため、メインフロアのエアコン1台で各ブースの冷暖房を賄うことができます。個室ごとに高額なエアコンを設置する費用や、日々の電気代も大幅に抑えられるという、経営上の大きな利点があります。

3. 「プライベート空間の創出」を妥協しない内装とは

 しかし、「上部が開いている(半個室)と、プライバシーが損なわれるのでは?」という懸念が浮かんでくることでしょう。

内装制限をクリアしながら、視線制御も両立しての「プライベート空間の創出」とは?これは、パーテーションパネルの設計の工夫次第で解消できます。パーテーションラボの「美容鍼灸サロン」様の事例が、その最適解を示しています。

「視線制御」の施工デザインの工夫

チョコバリ様では、女性客がターゲットの「癒しと清潔感」をコンセプトに、以下の工夫を凝らしました。

緻密なパネル高さの設定: お客様が施術ベッドに横になった際や、椅子に座った際に、通路を歩く人と目が合わない絶妙な高さを算出しました。

動線と什器の配置: 通路から直接室内が見えないよう、入り口の向きや家具の配置を計算し、半個室でありながら「自分だけの世界」に浸れる空間を実現しまし
た。

 

4. LGS(軽鉄造作壁)と施工型パーテーションの比較:定借テナントに最適なのは?

 理美容サロンをテナントで開業する際、空間を仕切るための壁を作る方法としては、主に「LGS(軽鉄造作壁)」と「施工型パーテーション(アルミ・スチール製)」の2種類があります。

LGS(軽鉄造作壁)の特徴とデメリット

LGS(Light Gauge Steel)は、軽量鉄骨で骨組みを作り、そこに石膏ボードを貼り付け、上から壁紙(クロス)を貼ったり塗装をしたりして仕上げる一般的な造作壁です。 自由な曲線を表現したり、店舗全体と完全に一体化したデザインを作ったりするのには向いていますが、以下のようなデメリットがあります。

 ・工期が長い:骨組み、ボード貼り、パテ埋め、クロス張りと工程が多く、職人の手間と時間がかかります。

 ・解体・原状回復コストが高い:定借契約の満了時や退店時には、物件を借りた時の状態に戻す「原状回復(原状復帰)」が必須です。LGS壁を壊す際は大量の粉塵や騒音が発生し、軽鉄と石膏ボードという「混合廃棄物」が出るため、解体費や産廃処分費が非常に高額になります。

施工型パーティションの特徴とメリット

工期短縮: 工場で部材を加工して搬入するため、現場工事が極めてスピーディーです。開業準備の貴重な時間を無駄にしません。
デザインの自由度: 清潔感のある白から、高級感のある木目調、開放的なガラス仕様まで、ブランドイメージに合わせた選択が可能です。
原状回復の容易さ: テナント退去時の解体が容易で、将来的なコストリスクも抑えられます

<美容サロン内装:LGSと施工型パーテーションの比較表>

比較項目 LGS(軽鉄造作壁) 施工型パーテーション
主な特徴 軽量鉄骨の骨組みに石膏ボードを貼り、クロスや塗装で仕上げる一般的な造作壁。 工場で生産されたパネルや部材を現場で組み立てる間仕切り。
メリット

◎ デザインの自由度が高い


・曲面の表現や、店舗全体と完全に一体化したシームレスなデザインを作りやすい。

◎ 工期が短く施工性が良い


・現場では「組み立てるだけ」に近く、オープンまでの期間(空家賃)を短縮できる。


◎ 解体・原状回復コストが安い


・ビスやジョイントの取り外しで済むため、解体にかかる人件費や産廃費用を大幅に圧縮可能。


◎ 再利用(リユース)が可能


・店舗の移転や拡張時に、部材を解体して新店舗へ持ち込み再組み立てができる場合がある。


◎ デザイン性が高い


・ガラス、木目調、ブラックフレームなどサロン向けの意匠性が高い製品が豊富。

デメリット

△ 工期が長い


・骨組み、ボード貼り、パテ埋め、クロス張りと工程が多く、職人の手間と時間がかかる。


△ 解体・原状回復コストが高い


・解体時に大量の粉塵や騒音が発生する。


・軽鉄と石膏ボードの「混合廃棄物」となるため、産廃処分費や解体費用が非常に高額になりやすい。


△ 再利用不可


・一度壊すと捨てるしかない。

△ 一体感・造作の自由度はLGSに劣る


・規格化されたパネルを組み合わせるため、複雑な曲線などの完全なオリジナル造作には不向きな場合がある。

法令対応・内装制限 仕上げ材(クロス等)や下地材に不燃・準不燃材料などを選定して対応する。 不燃認定を受けたスチールパーテーションや、準不燃・難燃素材の製品を選ぶことでスムーズに法令をクリアできる。
おすすめのケース

・建物の所有物件である場合


・原状回復の必要がない居抜き物件


・どうしても実現したい特殊な曲線デザインがある場合

・定期建物賃貸借契約(定借契約)のテナント


・将来的に店舗の移転やレイアウト変更を視野に入れている場合


・初期費用と退店時のトータルコストを抑えたい場合

「定期建物賃貸借契約(定借契約)」のテナントに入居する場合

この2つの選択が将来のコストを劇的に左右します。結論から言えば、定借テナントには圧倒的に施工型パーテーションがおすすめです。

定借契約のテナントでは退去時の原状回復が必須です。施工型パーテーションはLGS(軽鉄壁)に比べ解体が容易で、産廃費用を抑えられるため、原状回復コストを劇的に削減できます。また、組み立て工法により工期を短縮し、早期オープンによる収益化を早めます。さらに移転先での再利用(リユース)も可能なため、資産価値を維持しやすく、経営の「出口戦略」まで見据えた圧倒的なコストメリットを享受できます。

 

5. パーテーションラボが提案する「スピード、デザイン、そして法務対応」のオールインワンの内装戦略

 理想のサロンを予定通りにオープンさせるためには、「早く、正しく」手続きと施工を進める必要があります。
パーテーションラボの「空間コンサルティングチーム」がご提供する4つの特徴をご紹介いたします。

1)専門家チームによる徹底サポート

サロン開業には、「防火対象物使用開始届出書」や、内装工事前の「防火対象物工事等計画届出書」を、営業・工事開始の7日前までに提出しなければなりません。これらの提出義務はオーナー様自身にあり、遅れると開業日の延期や、最悪の場合は営業停止というリスクを招きますが、パーテーションラボは、単なる部材メーカーではありません。
① 所轄消防署・管理会社との調整: 豊富な施工実績を持つスタッフが、複雑な法規対応をバックアップします。
適法性の診断: 「この物件で個室を作れるか?」という初期段階から、元消防士のようなプロの視点に準じたアドバイスを行い、消防検査での指摘(手直し工事)という悪夢を未然に防ぎます

2)サロンの美観を損なわない高いデザイン性

「パーテーション=無機質なオフィスの仕切り」というイメージはもはや過去のものです。現在では、ガラスを用いた開放感のあるデザイン、木目調の落ち着いたパネル、ブラックフレームのシックな装いなど、美容室・サロンのブランディングに貢献する意匠性の高いパーテーションが多数揃っています。

3)適法な材料選定のサポート

内装制限の対象となるテナントであってもご安心ください。パーテーションラボでは、不燃認定を受けたスチールパーテーションや、準不燃・難燃素材を用いた製品など、法令をクリアする最適なラインナップをご提案します。

4)サロンの美観を損なわない高いデザイン性

「パーテーション=無機質なオフィスの仕切り」というイメージはもはや過去のものです。現在では、ガラスを用いた開放感のあるデザイン、木目調の落ち着いたパネル、ブラックフレームのシックな装いなど、美容室・サロンのブランディングに貢献する意匠性の高いパーテーションが多数揃っています。

 

まとめ|賢い選択が、サロンの成功を左右する

美容サロン開業の「内装制限」を賢くクリア!コストを抑えてのプライベート空間を作る秘訣

 内装制限を「制限」と捉えるのではなく、「欄間開口や素材選びを工夫することで、コストを抑えつつ安全性を担保する戦略」と捉え直してください。
浮いた予算を、お客様が直接触れる家具や最新の美容機器に投資することで、サロンの競争力は確実に高まります。

「自分の借りたテナントは内装制限がかかるのだろうか?」「シャンプーブースをどう仕切れば一番コストが抑えられるか?」など、ご不明な点がございましたら、内装間仕切りのプロフェッショナルであるパーテーションラボへお気軽にご相談ください。あなたの理想のサロンづくりを、法的不安を解消し、安全かつスマートに実現するお手伝いをさせていただきます。

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本コラムは、内装制限と消防法の基本をまとめたものです。実際の施工にあたっては、建物の構造や自治体の独自ルールにより異なる場合があるため、必ず専門業者や管轄の消防署にご確認ください。

 

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