パーテーションの種類と各メリット、デメリット

1.パーテーションの目的

 パーテーションには大きく分けて、設置型と施工型の2種類があります。

設置型とは移動や取り外しができる簡易的なものです。一方施工型とは業者によって設置工事を行い、壁や床にしっかりと固定したものです。 パーテーションはその目的によって、メリット、デメリットを踏まえた上でふさわしいタイプを選ぶことが大切です。

例えば広いオフィスを部署や通路で仕切りたいなど、動線をレイアウトする場合は、高さのあるパーテーションを設置すると圧迫感が出てしまいます。その場合、腰ぐらいの高さのローパーテーションを置くと、無理なく通路を確保することができます。

社員の机の間にパーテーションを設置したい場合も高さに注意する必要があります。 お互いの視線を遮りつつ電話での話し声も気にならず、仕事に集中できる程度の高さに調整することが肝心です。パーテーションが高すぎると、社員同士のちょっとしたやりとりを妨げてしまい、ストレスを感じさせたりチームワークを損なったりする可能性があります。

応接コーナーや打ち合わせスペースなどで、来客同士が顔を合わせることを避けたい場合には、立ち上がっても顔が見えない程度の高さのパーテーションを設けることで、問題を解決することができます。 秘匿性を要する会議や重要な打ち合わせ、面接や人事考課などプライバシーを守らなければならない面談を行う場所には、音漏れを防ぐ遮音性に優れたものを設置することが求められます。

同様に、しっかりしたセキュリティーが必要な場所もあります。例を挙げると、経理や財務、人事などの部署は機密情報や個人情報を扱うため、関係者しか入れないようなしっかりとしたパーテーションが適しています。

さらにサーバーや予備のコンピューターの保管も、天井まで仕切られた施錠できるスペースがあると安心です。

2.設置型のメリットとデメリット

 設置型のパーテーションには、いくつかのバリエーションがあります。

例えば置き型はデスク間の仕切りや打ち合わせコーナーの目隠しなどに利用されることが多く、比較的低コストで導入することができます。設置型には折りたたみ式や伸縮式、連結式のものもあります。このタイプは使わない時やスペースを広く使いたい時は畳んで収納しておけるので、柔軟なオフィスレイアウトが可能です。

動線を確保する際などに、フラワーボックスやローキャビネットもパーテーションと合わせてよく使われるアイテムです。 設置型パーテーションのメリットは、工事が不要で買ったその日から使えることです。種類も豊富で、必要に応じて部屋やスペースを使いやすく変更できるため便利です。色や素材も豊富なので、オフィスの雰囲気に合わせて自由に選ぶことができます。

例えば目隠し部分が木目調のものであれば、無機質な空間になりがちなオフィスに温かみを加えられ、オフィスの雰囲気を明るくし、リラックス効果も期待できます。何より施工型に比べて低予算で導入することができ、不要になった場合の処分も手間がかかりません。

一方デメリットはというと、導入に際しては自分たちでレイアウトし、目的やスペースに合ったサイズや色、必要なパネル枚数を確認して発注しなければならないことです。パーテーションに詳しい人、全体を見渡してレイアウトしたり色や形をコーディネートしたりする人がいないと、統一感のないオフィスになったり、思っていたのと違うレイアウトになってしまったりすることがあります。

3.施工型のメリットとデメリット

施工型のパーテーションは、施工業者と打ち合わせの上、オーダーメードをするものです。素材によってさまざまなバリエーションがあります。例えばアルミ製は軽くて設置しやすく低価格なので、コスト重視の企業に向いています。スチール製は重厚感があり、安全性と遮音性もあるので高いセキュリティーが必要な場所に最適です。ガラス製は室内が明るく広く見え、オシャレなイメージを演出できる上、比較的低コストで導入することが可能です。施工型パーテーションの素材は色やバリエーションも豊富で、設置型よりも自由にオフィスの仕切りをすることができます。 一方デメリットはというと、オーダーメードで施工をするため、工事費用がかかるということです。また施工する場所や面積に応じて工事期間が必要で、業務に支障がないようにするためには、土日など会社が休みの間に施工する必要があります。設置する場所やレイアウトによっては天井の照明や火災報知器の位置を変えたり、増設したりする必要も生じます。そして、一度設置するとレイアウトを簡単には変えられない上、オフィスを移転する時には原状回復工事も必要になる場合があります。 しかし、オフィスには遮音性が必要な会議室、セキュリティーが必要な財務や人事部、サーバー室などがあります。場所や目的に応じて施工型と設置型を上手に併用して、安全で働きやすいオフィスレイアウトを目指しましょう。