スチールパーテーションは、オフィス内装の間仕切りの定番として多くの企業に選ばれています。

特に支柱が表に出ないデザインが、パーテーション同士を隙間なく連結することで、まるで最初からあった壁のように一体感のある空間を作り出します。これにより、圧迫感を抑え、すっきりとした印象を与えられます。

また、高い耐久性や不燃性や遮音性に優れている点も大きなメリットです。

本記事では、スチールパーテーションの構造や性能、他の間仕切りとの違いを解説します。導入する上で把握しておきたい注意点も併せて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

1.スチールパーテーションとは?

 スチールパーテーションとは、スチール(鋼)製のパネルで構成された間仕切りのことです。オフィスや工場などで、空間を効率的に区切るために広く使われています。

オフィスに設置されているパーテーションには、他にアルミパーテーションやガラスパーテーションといった種類もありますが、中でもスチールパーテーションは強度が高く、遮音性などの機能面でも優れているのが特徴です。2枚のパネルでフレームを挟む構造のため、フラットな仕上がりになり、高級感のある空間を演出できます。

このような機能性やデザイン性の高さから、重要なミーティングや商談を行う会議室や応接室、来社する方の目に触れやすいエントランスなどを中心に、幅広く活用されています。

 

スチールパーテーションとは、スチール(鋼)製のパネルで構成された間仕切りのことです。オフィスや工場などで、空間を効率的に区切るために広く使われています。

2.スチールパーテーションの構造

 ここからは、スチールパーテーションの構造について詳しく見ていきましょう。

使用される部材

スチールパーテーションを構成する部材には、以下のものがあります。

・パネルの表面材
・パネルの芯材
・フレーム(支柱)
・笠木(かさぎ)
・巾木(はばき)

スチールパーティションのパネルは、「表面材」と「芯材」の二層構造になっており、外から見える部分が表面材、裏側が芯材で、「スチール製の表面材」で「芯材」を挟み込んだサンドイッチ構造になっています。芯材には、用途や求められる性能に応じてさまざまな素材が使われます。

パネルを支える骨組みの役割を果たす「フレーム」には、スチールが用いられます。

「笠木」は、パネルの上端に設けられる仕上げ材です。全体のデザイン性を高め、すっきりとした印象を作り出します。「巾木」は、パネルと床の接合部に取り付けられる部材です。隙間を目立たなくし、仕上がりをより美しく整えます。

中空二重構造

前述した通り、スチールパーテーションのパネルは、表面材と芯材が用いられており、表面材とフレームで、芯材を挟む構造になっています。この構造が「中空二重構造」です。

この構造によって、パネル内部には「空気層」と呼ばれる空間が形成されます。詳細は後述しますが、スチールパーテーションならではの優れた性能は、この構造のおかげです。また、フレームが内部に収まることで、見た目がすっきりと仕上がり、スタイリッシュな印象を与えます。

 

3.スチールパーテーションの構造による優れた性能

 スチールパーテーションは、中空二重構造によって、他のパーテーションにはない優れた機能を備えています。

ここからは、スチールパーテーションの代表的な性能について、詳しく見ていきましょう。

遮音性・断熱性

スチールパーテーションは、優れた遮音性と断熱性を備えていることが大きな特徴です。

中空二重構造によって作り出される空気層と、フラットで継ぎ目のない構造により、音を遮断し、熱の出入りを防ぐ効果が期待できます。またグラスウールやロックウールといった繊維素材を内部に詰めることにより、さらに遮音性や断熱性を高めることが可能です。

これにより、会議室や執務スペースのプライバシーを確保し、静かで集中できる環境を作り出します。外部からの音を遮断し、室外への音漏れも防げるので、機密性の高いミーティングなども安心して行えます。

高い断熱性により、冷暖房効率の向上も見込めるため、電気代節約にも効果を発揮するでしょう。

防火性

スチールパーテーションは、防火性にも優れています。

スチール自体が燃えにくい素材であり、芯材には不燃認定を受けた石膏ボードが使われることが多いです。これにより、建築基準法で定められた内装制限のある場所でも安心して使用できます。

万が一火災が発生しても、火の燃え広がりを抑える効果が期待できるため、オフィスの安全性向上に役立つでしょう。遮音性・断熱性を高める役割を持つグラスウールやロックウールも、不燃材料として認定を受けています。

配線の容易さ

他のパーテーションと比べて、配線がしやすいことも、スチールパーテーションの特徴です。

入退室管理用の電子キーやセキュリティ機器などを設置する際には、電源や通信ケーブルの配線が必要になります。例えば、オフィス用パーテーションとして多く用いられているアルミパーテーションの場合、パネル内部にスペースがないため、パーテーションで配線を隠すことができません。

しかし、表面材とフレームで芯材を挟み込むスチールパーテーションなら、内部の空間を使って配線を隠すことが可能です。見た目がすっきりと整うので、オフィス全体が洗練された印象に仕上がります。また床や壁面にケーブルが露出しないため、足を引っかけて転倒するリスクも軽減され、安全性の確保にもつながります。

耐震性・防犯性

スチールパーテーションは、耐震性と防犯性においても優れています。

骨組みにスチールを使用しているため、アルミパーテーションと比べて強度が高く、より頑丈な構造なのが特徴です。国際規格ISO9001 を取得した耐久性の高い素材を採用している製品もあり、地震の揺れにも十分に耐えられる構造のものも多く見られます。造作壁には及ばないものの、一定の耐震性を確保しながら、柔軟に間仕切りを設置したい場合には最適な選択肢といえるでしょう。

また、スチール製の高い強度は、防犯性の面でも効果を発揮します。前述した通り、電子キーを組み込むことも可能なため、よりセキュリティを強化した空間づくりを行うことが可能です。

スチールパーテーションでオフィスの防音対策

 

4.スチールパーテーションのオプション部材

 スチールパーテーションは、標準仕様のままでも十分に高い機能性を備えていますが、メーカーによっては、さらに性能を向上させるためのオプション部材も用意されています。

オプション部材を組み合わせることで、スチールパーテーションの機能性をさらに高めることが可能です。用途の幅が広がり、使い勝手も向上するので、より自社のニーズに合った空間づくりができます。

代表的なオプション部材は以下の通りです。

回転ランマ(開閉式ランマ)

ランマとは、間仕切り上部と天井の間の空間のことです。このランマを開閉可能にしたものを回転ランマと呼びます。

通常のランマは常時開口していますが、回転ランマなら必要に応じて開けたり閉めたりできるので、通気を確保しつつ遮音性やセキュリティ性も維持できます。一カ所だけを回転ランマにすることも可能です。

ドアパネル

扉が組み込まれたパネルです。通常のパネルと組み合わせることで、パーテーションで仕切られた空間に出入り口を設置できるため、一つの独立した部屋としての活用できるようになります。開き戸タイプ、引き戸タイプから選べる他、スイングドアや自動ドアにすることも可能です。

ガラリパネル

ガラリとは、壁やドアに取り付ける通気口のことです。ガラリが付いたパネルを組み合わせることで、空間の換気ができます。ドアやランマにガラリを施すことも可能です。

吸音パネル

小さな穴をランダムに配置したスチール板や、吸音性の高い素材を使用したパネルです。設置することで音を効果的に吸収し、音の反響を軽減することで静かな空間を作り出せます。

脱着パネル

必要に応じて取り外しができるパネルです。取り外せばその箇所を開口部として使用できるため、大きな機材やオフィス家具などの搬入・搬出が容易になります。

 

5.スチールパーテーションの注意点

 機能性に優れ、見た目もスタイリッシュに仕上がるスチールパーテーションですが、設置を検討する上でいくつか注意しておきたいこともあります。

ここからは、スチールパーテーションの2つの注意点を見ていきましょう。

再施工はできない場合がある

多くのパーテーション製品は再施工に対応していますが、スチールパーテーションの場合、状況によっては再施工が難しいことがあります。

その理由の一つが、スチールパーテーションは設置場所に合わせて施工されるのが一般的なことです。アルミパーテーションと比べると構造上の柔軟性が低いので、レイアウト変更やオフィス移転の際に、同じように組み直せないことがあります。

またスチールパーテーションは、アルミパーテーションと比較すると規格化が進んでいません。そのため、移設先の設備が異なるメーカーの場合、合致させるのが難しいことがあります。

費用が高くなりやすい

スチールパーテーションの設置を検討しているのなら、費用が高くなりやすいことも理解しておく必要があります。

スチールパーテーションは使用される部材の点数が多く、アルミよりも重量があるため、搬入や設置の手間が大きいです。そのため、本体価格も施工費用も高くなる傾向にあります。機能性を持たせるためにアルミパーテーションよりも複雑な構造になっていることから、施工難易度が高いことも、施工費用に影響します。

コストを抑える方法として中古品を選ぶという選択肢もありますが、品質の観点からあまりおすすめはできません。

 

 

6.スチールパーテーションと他の間仕切りの構造や性能を比較

 パーテーションは、スチールパーテーション以外にもアルミパーテーションやガラスパーテーションもあります。またパーテーション以外にも、造作壁と迷っている方もいるでしょう。

最後にスチールパーテーションと、他の間仕切りの構造・性能の比較をご紹介します。

アルミパーテーションとの比較

アルミパーテーションは、軽量なアルミ製のフレームにパネルをはめ込んだタイプのパーテーションです。フレームがパネルに隠れるスチールパーテーションと異なり、フレームが露出しているのが特徴です。

アルミは軽量な素材のため、スチールパーテーションに比べて施工費用を抑えやすく、工期も短く済む傾向にあります。ただし、使用できるパネルが薄く、一枚構造なので、スチールパーテーションほどの遮音性や断熱性、防火性などは期待できません。

ガラスパーテーションとの比較

ガラスパーテーションは、パネルにガラスを用いたパーテーションで、フレームにはスチールやアルミが使用されます。

透明であるため、スチールパーテーションと比べて、より開放的で明るい空間を演出できるのが特徴です。使用されるガラスや専用フィルムには豊富なバリエーションがあり、企業のブランドイメージや設置場所に合わせて、柔軟にデザインを調整できます。開放感とデザイン性を両立させたい空間に適しています。

パネルにダブルガラスを使用すれば、遮音性を高めることも可能です。また、すりガラスや半透明のガラスフィルムを使用することで、開放感を維持しつつ、セキュリティ性を高めることもできます。

造作壁(LGS)との比較

造作壁とは、軽量鉄骨(LGS)の骨組みに石膏ボードを貼り付け、仕上げ材を施して作られる固定式の壁のことです。表面の仕上げ材には、壁紙やシート、塗装、石材などが使用されます。

曲線的なデザインにも対応できるため、スチールパーテーションと比べて空間づくりの自由度が高いです。仕上げ材の種類も豊富なので、自社のイメージにマッチする空間を実現できます。遮音性や耐火性などが、スチールパーテーションよりも優れていることも特徴です。

ただし、一から現場対応で施工する必要があるため、スチールパーテーションよりも施工期間が長引きやすく、コスト面でも負担が大きくなる場合があります。また一度設置するとレイアウト変更の際には取り壊す必要があるので、部材の再利用は難しいです。

 

堅牢で重厚な素材が高級感と高性能を体現したスチールパーテーションの施工事例はコチラ↓

スチールパーテーション

まとめ

 このように、スチールパーテーションは、機能性とデザイン性を両立させた、現代のオフィスに最適な間仕切りと言えます。

パーテーションを使って、セキュリティやデザイン性を重視した空間づくりを行いたい場合に、適した選択肢といえるでしょう。ただし、スタンダードなアルミパーテーションに比べて、コストが高くなる傾向があるため、導入に当たっては設置面積などを踏まえ、事前に費用のシミュレーションを行うことが大切です。

パーテーション専門メーカーのアイピックでは、企業や施設での豊富な導入実績を生かし、高品質な製品をご提供しています。品質へのこだわりから中古品は取り扱っておらず、コストを抑える取り組みとして、スチールパーテーションの規格化に力を入れています。

ご紹介した通り、スチールパーテーションは規格化がアルミパーテーションほど進んでいませんが、アイピックでは業界で初めてブラックカラーのスチールパーテーションの規格化を実現しました。

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